PageTopButton

音楽聞くのはサビだけ?ならば落語はいきなりオチから?

一週間のニュースの中から創作落語を演じるRKBラジオ『立川生志金サイト』の名物コーナー「ラジオ演芸金サイ亭」。7月1日(金)の放送では「音楽聞くのはサビだけ?若者のコスパ志向は「悪者」なのか」(毎日新聞・6月27日)の記事をモチーフに、こんな一席を披露した。  

若手落語家:音楽もいきなりサビだけを聴いちゃうんですよ。そんな若者を相手にこれから落語家はどうすればいいんですか?

 

師匠:そんな連中が客になるようにすりゃいいんだよ。短くやったらそれでいいだろうよ。

 

若手落語家:たとえば「寿限無」なんてどうやったらいいんです?

 

師匠:こんな感じかな。

「御隠居、赤ん坊が生まれたんで名前つけてほしいんですけど」

「そうだなぁ、寿限無寿限無五劫のすりきれ海砂利水魚の…(中略)長久命の長介なんかどうだ?」

「だっはっはは、長くって覚えられねえ」

 

若手落語家:…。今のでおしまいですか?

 

師匠:あたぼうよ。

 

若手落語家:「饅頭こわい」は?

 

師匠:「お前何が怖いんだ?」「饅頭」

 

若手落語家:それだけですか?じゃあ、人情噺の「芝浜」はどうすればいいんです?

 

師匠:「…よそう、夢になるといけねぇ」

 

若手落語家:まさかのオチだけですか?人情も何もないじゃないですか!

 

師匠:サビしか聴かないやつに人情なんか分かるかよ!
 
過去に放送した創作落語を集めた本「立川生志のニュース落語」(梓書院)が6月24日に全国一斉発売された。紙面に掲載しているQRコードをスマートフォンなどで読み取ると、生志が演じる落語を音声で聞くことができる。

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう