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牛はつま先からはじまる

「牛は、つま先からはじまる」という言葉があるそうだ。牛にとって蹄は、第二の心臓。蹄が伸び過ぎると立ち姿が悪くなり、病気になったりする。その蹄を手入れする大切な仕事が、削蹄師だ。藤本広志さん(19)は、ことし農業高校を卒業し、削蹄師の道へ飛び込んだ。藤本さんは、牛が大好きだ。幼い頃から、近所の繁殖農家に通い、見よう見まねで、牛の世話をしていた。その体験が、削蹄師への道を目指す一つのきっかけになった。長崎県内でも削蹄師は、数少ない。藤本さんは、師匠の装削蹄師(牛と馬のアシのスペシャリスト)龍田太朗さんに弟子入りし、修業に励んでいる。仕事は、体力勝負だ。牛をロープで縛り、足を持ち上げ、蹄刀で、素早く蹄を削る。牛に負担をかけてはいけない。修業は、まだ始まったばかり。師匠とともに、ワンボックスカーに道具一式を積み、長崎県内はもちろん、九州一円の畜産農家をまわっている。何よりも重要なのが、経験と勘。師匠の技を盗みながら、12月に予定されている、牛削蹄師の資格試験に挑む。目立たないが、無くてはならない仕事、削蹄師。19歳の少年を追った。
(製作:NBC長崎放送 / 増田 照久)

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