PageTopButton

みかんの里を守れ!諫早アボカド「ジパング」

日本に流通するアボカドのうち、国産のものはわずか1%。露地栽培となると、さらに少ない。完熟を待たずに収穫し外国から運ばれてくる輸入物に比べ、食べ頃直前まで木で育てることで濃厚な味わいとなり、栄養価も高くなる。

そんな希少な国産アボカドが、長崎県諫早市多良見町伊木力地区で栽培されている。古くから「みかんの里」として知られる地域だ。作っているのは、「伊木力みかん」の生産者たち。みかん農家が減る中、地域に新たな目玉をつくろうと、10年前、4軒の農家が、耕作放棄地などを活用し、栽培を始めた。

しかし、アボカドの幼木は気象に影響されやすく、露地栽培は苦労の連続。
初出荷に漕ぎつけるまでに7年を要したが、その味は、さっそく人々を虜に。競り値で1個2000円を超える物もある。ブランド名は「長崎諫早鰐梨(わになし)ZiPZNGU(ジパング)」。「鰐梨」とはアボカドの和名。諫早生まれの国産アボカドを表現している。

当初4軒だった栽培農家は6軒に増え、チーム一丸となって、日本を代表するアボカドブランドを目指し活動している。合言葉は「挑戦なくして成長なし!」みかん農家たちのチャレンジを追った。
長崎県諫早アボカド会
住所:長崎県諫早市多良見町佐瀬631-5
電話:090-2515-2387(?川髙嗣 会長)
HP:https://avocado-zipangu.com/

取材後記

私がジパングを知ったのは去年秋。
「へー、アボカドって果物だったんだー」というのが最初の感想です。
しかし、食べてみて納得!
とろりと滑らかで、マンゴーのような、バナナのような、そんな味の要素も感じられ、「こりゃ確かに果物だわ!」と思ったものでした。

 ジパングをつくる「長崎県諫早アボカド会」のチームワークも最高です!
皆さん、職人のようなかっこよさがありつつも、素朴で、お茶目。
親子ほど年の離れたメンバーもいますが、遠慮なしに意見や知恵を出し合う姿が印象的でした。

暑さ、寒さ、台風など、気象の影響を直に受ける「露地栽培」ですが、みかんと同じように、アボカドも伊木力の段々畑でつくりたい!という思い、そして、誰もがアボカドづくりの仲間に入ってきやすいよう、設備投資がかからない露地栽培にこだわっていることを知り、胸が熱くなりました。

ジパング販売4年目の今年は、イベント出店のオファーが相次ぎ、果実の数が足りないほどになっています。
生産量を増やすという「アボカド会」の次なるステージを応援しつつ、アボカドの花の酵母から造るお酒で乾杯できる日も楽しみにしています。

(NBC長崎放送 / 早田 紀子)

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう