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御柱祭

暮らし

みなさま、「御柱祭」って、ご存知ですか?天下の大祭、日本三大奇祭などといわれるもので、人を乗せた大きな丸太の柱が山肌を滑り落ちていく様子を映像や写真でご覧になったことがあるかと思います。あれです。この祭りは、諏訪湖畔にある諏訪大社の「式年造営御柱大祭」として、7年目ごと=寅と申の年に行われます。つまり、来年平成22年は御柱祭の年なんです。あの巨大丸太が滑り落ちるのがお祭りの全てだと思っていた私。とんでもない大間違いでしたっ(大汗っ)!御柱祭の期間は、4月初めから6月半ばにかけての長期間。丸太の滑り落としは「木落とし」といって、祭りの最大の見せ場でもありますが一部分なのです。御柱祭は1200年以上続くお祭りで、寅年と申年に神社の宝殿を新築し、社殿四隅にある柱=モミの大木を立てかえるものなのです。しかも、諏訪神社は上社と下社2つあり、上社に本宮と前宮、下社に春宮と秋宮、計4つのお宮があるのです。つまり柱も4×4で16本!柱は長さ約17m、直径1mあまり、重さは約10tという大きさ。これを人力のみで山から里まで曳いていき、もちろん人力のみで立てるのです。500mの曳き綱に3000人の氏子がついて曳くのだそう。

で、件の「木落とし」ですが、下社の場合、斜度約35度、斜面の長さが約100m。まさにスキーのジャンプ台のような感じだそうです。上社下社とも4月に行われるのが山から里の入り口まで御柱を動かす「山出し」、5月に行われるのが里の中をお宮まで曳いて柱を立てる「里曳き」です。「山出し」は勇壮かつ豪快で、下社は最大斜度をもつ木落としが、上社は木落としに加えて冷たい川をこえる川越えも見どころでしょう。ちなみに木落としの時に柱の先頭に乗る“はなのり”は名誉な役だそうで、基本は地域にその働きが認められた人が選ばれるそうです。なんだか博多祇園山笠でいうところの“台上がり”みたいですね。でも、柱に体ひとつでしがみつくのですから最後まで乗っかっていられるのは数えるほど(1人いるかどうか…らしい)ですので、その条件の厳しさゆえ年齢は40~60歳くらいなんだそうです。チャンスが7年に一度と考えると狭き門です。さて、ひと月後の「里曳き」はがらりと趣きが変わり、騎馬行列や花笠踊り、長持行列などが華麗な道中絵巻を繰り広げます。そして、拍手喝采の中で社殿に柱が立てられる瞬間の豪快さも見逃せない瞬間です。スケジュールは上社の山出しが4月2・3・4日、里曳きが5月2・3・4日、宝殿遷座祭が6月15日。下社の山出しが4月9・10・11日。里曳きが5月8・9・10日。宝殿遷座祭が5月7日となっています。
今回詳しいお話を聞かせてくださったのは、下諏訪町木遣保存会事務局長の小松直人さん。下社の御柱に携わる方です。木遣というのは、御柱になくてはならない掛け声歌、とでもいいましょうか、御柱の指揮者で先導役を務める方々のことです。柱を動かす時に、何千人もの氏子の心をひとつにし、神木を山からお連れせねばなりません。♪奥山の大木、里に下りて神となる~♪の木遣りで山の神様をお呼びして、ご神木=御柱が動き始めます。ほかにも氏子さんたちに「力を合わせて」とか「ここは難所だ」とか状況を見て注意点を喚起する木遣りもあり、無事に柱が到着すると山の神様をお返しする木遣りなどもあるのです。氏子は木遣りによって力をもらい、無事に御柱をお運びし、木遣りによって喜びをかみしめるのです。

これは、一度は見てみたい。いや、参加してみたい。で、一般人も参加したり、時期がずれていても体験したりする方法がありますので、それを来週はお伝えしますね。
※諏訪大社 → http://suwataisha.or.jp/
※御柱祭  →  http://www.onbashira.jp/

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