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信州ワインの旅2 ~塩尻エリア~

長野県産ワインの発祥の地が塩尻。明治30年ごろから、日本国内では山梨に次いでスタートしました。ぶどうの収穫できる土地の名をとって「桔梗ヶ原ワイン」と称されてもいます。ちなみに今年は、塩尻にぶどうの苗が植えられて120年の記念の年だそう。最初は生食用の「コンコード」と「ナイアガラ」を使ったワイン作りからスタートし、今では塩尻の「メルロー」は国内はもとより世界のワイナリーが出品する国際ワインコンクールで常に入賞を果たすようになり「キキョウガハラ・メルロー」の名は世界にとどろいているのです!その塩尻のワイナリーの中から今回2つをご紹介~。
まずは「信濃ワイン」。ここではぜひ地下室のワインセラーを見学しましょう。ヒンヤリした階段を下り鉄の扉を開けると、中ではクラシック音楽が!曲を聴きながらワイン達は熟成していくのね…。信濃ワインでの試飲タイムは嬉しい着座スタイル。5~6種類のワインとジュースが無料で試飲できます。「メルロー」、「カベルネソービニヨン」、「シャルドネ」といったヨーロッパでも戦えるできばえのものや、中国原産のぶどうで長野県以外ではあまり生産されていない「竜眼」などの品種のワインが並びます。また、希望者は有料で、一般に流通していない=ワイナリーでしか飲めないこだわりの逸品が味わえます。1956年産のワインは、どっしりとしたスモークを思わせる香りでしたよ。また、メルローやシャルドネなど、99%がワインになるぶどうから作ったプレミアムジュースもありました。ブランデーもあるんですよ~。

案内してくださった塩原悟文社長は、「長野県で一番古くからの産地だから、本格的ヨーロッパ系のものも、フルーティで華やかなアメリカ系のものも両方作られているのが塩尻の特長」だと教えてくださいました。また「このぶどうの産地があるから私たちのワイナリーがある。私たちは産地の一員なんです。大勢の協力があって風土に合うぶどうが作られてきた、うちのワイナリーの後ろには支えてくれる人達がいる。だから、自分のワイナリーはもちろんですが、それ以上に、ぶどうを栽培してくれる農家が生計をたてられる産地作りを目指してきたんです。」と、おっしゃってました。ワインと一緒に作り手のハートもいただきます。
□信濃ワイン → http://www.sinanowine.co.jp/rekishi.htm

もう一カ所は明治44年創業の「五一ワイン(林農園)」。現社長の林幹雄さんは、昭和27年に、塩尻で初めてメルロー種を栽培し始めたチャレンジの人です。現在81歳。毎日ぶどう畑に出ている現役農家でもあるのです。「自分の満足できるぶどうができれば、おいしいワインができるはずだ」と、考えて日々研究なさってます。

「私だけじゃない。みんなそうだと思うけど、男のロマンっちゅうか…そんな感覚ですね」と笑いながら、これまでの塩尻ワインの歩みを教えてくださいました。30年ほど前まで、寒すぎて、いいぶどうができなかったこと。コンコードやナイアガラが、ジュースやお手頃ワインで売れていた時代のこと。甘いぶどう酒用原料として大手メーカーに買ってもらっていたのが、昭和50年代に打ち切られた打撃が転換点だったこと…。「ワイン通にも通用する種を栽培して欲しい」と言われて作り始めたメルロー種。ワインぶどうの栽培には向かない土地だと言われていたのが、今では世界コンクールで最高金賞を受賞するまでになったこと、などなど…。林さんは「金賞とったりするからうまいのができてると思うけど、それはあくまで皆さんが与えてくれた賞であって、自分では満足してないからね」ともおっしゃいます。「おいしいのは当然。さらに奥深い味を作っていきたい」と、新しいぶどうの栽培方法を仲間の農家さんに伝えるための準備をなさってました。
もちろん!売店では無料で試飲もできます。ワインはもちろんですが梅酒もチェック!ですよ。
□ 五一ワイン → http://www.goichiwine.co.jp/

そして、ワイン好きに絶対オススメなのが「塩尻ワイナリーフェスタ」!毎年10月の最終土・日曜に行われる、このイベント。今年は10月30日と31日に実施です。JR塩尻駅前では各ワイナリーの無料試飲ブースと、地元食材を使った肉・ハム・おやき・野菜・そばなどが並ぶ有料食べ物ブースが並ぶ「ワインステーション」が展開されます。また、塩尻駅から15分間隔で運行されるシャトルバスに乗って、参加ワイナリーをめぐり見学&試飲しまくりの「ワイナリーめぐり」(前売2500円・当日3000円)も行われます。漆塗りのワイングラスが参加証代わりのすてきな企画。有料試飲の逸品やできたてワインが飲めるチャンスもありそうです。もし、今年が無理でも来年以降10月最終土・日は要チェックですよ。
□塩尻ワイナリーフェスタ2010 →
http://www.city.shiojiri.nagano.jp/ctg/451108/451108.html

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