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故郷を奪われて…~小高からの報告2018

2018年第24回
制作:TBSテレビ TUFテレビユー福島
ディレクター:神田和則(TBS)池田裕美子(TUF)

故郷に戻りたい…、その願いは、かなわないまま7年余りが過ぎた。 南相馬市小高区の荒木清一さん(69)は、東日本大震災による大津波で妻を失い、自宅を流された。さらに原発事故で自宅は立入禁止となり、母(91)と愛犬“スー太郎”とともに避難所に逃れた。
2011年4月、立入禁止区域に残されたペットの保護問題を取材する中で、偶然、避難所の荒木さんと“スー太郎”と知り合い、取材を始めた。
5月、初めて一時帰宅する日の朝、私たちは荒木さんにカメラを託し、「感じたことを言葉に残していただけませんか」とお願いした。
その晩、荒木さんが撮った映像と記録された言葉に体が震えたのを覚えている。変わり果てた故郷、家族への思い、まったく先の見えない不安…。
「もう一度、小高で米を作りたい」。強い決意を語ってきた荒木さんだったが、故郷に帰ることを断念、新たな地で歩み始めた。
“スー太郎”は天寿を全うし、いま、その姿はない。小高区は避難解除となり、自由に行き来できるようになった。あれから何が変わり、何が変わらなかったのか。原発事故が奪ったものの重さを問う。

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