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地産地昇!かごしま衛星 再び宇宙へ

鹿児島大学と鹿児島の中小企業が共同で開発した超小型人工衛星「KSAT(けーさっと)」。1号機は2010年、種子島から打ち上げられたが、宇宙で行方不明になり、水蒸気観測のミッションは達成できなかった。あきらめきれない開発メンバーらは、各企業の分野で世界トップレベルの技術を駆使し、通信装置などを改良した2号機を開発。折りたたみ式の開閉ソーラーパネルを追加し、発電量を2倍に増強するなどした。

プロジェクトを統括する西尾正則教授(58)は「若い人材に技術を継承したい」という思いから2号機は、回路の設計やプログラミングなどの主要な工程をあえて学生たちに任せた。プロジェクトマネージャーで鹿児島大学大学院の森田大貴さん(23)は「僕たちにとっては“リベンジ”というよりは初挑戦そのもの」と話し、悪戦苦闘しながら予定より2か月ほど遅れて衛星を完成させた。

番組では2012年9月放送の「世界一の九州」の続編として、「KSAT2」が今年2月に打ち上げられるまでと、打ち上げに立ち会う関係者の思いなどに迫る。
企業の技術力と、学生の粘り強さで完成した「KSAT2」。宇宙への再挑戦の結果はいかに!
<取材者連絡先>
鹿児島大学理学部 西尾正則教授
住所:鹿児島県鹿児島市郡元1丁目21番24号
電話:099-285-6047エルム 宮原照昌専務
住所:鹿児島県南さつま市加世田宮原2398
電話:0993-53-6930

取材後記

今年2月、打ち上げに成功した鹿児島産小型衛星「KSAT2」の鹿児島大学の開発チームは、次の衛星の打ち上げに向けすでに始動しています。
開発を進めているのは、通信実験などを行う小型衛星「しんえん2」。九州工業大学と共同で開発し、鹿大は電源や通信系などを担当しています。この 「しんえん2」には「KSAT2」の電源制御機能などが活用されていて、今年末にも種子島から打ち上げられる予定の小惑星探査機「はやぶさ2」の 相乗り衛星候補に選ばれています。
昼夜を問わず「KSAT2」の運用を続けながら、研究室で衛星製作に取り組む学生たち。休む暇はありませんが、常に前向きです。

担当 MBC 南日本放送 上村 隆一郎

今回は、一度「世界一」でオンエアしたネタの続編だけに、どう作るか、ある種の緊張感がありました。 また、H2Aの打ち上げそのものが成功するか、打ち上げがうまくいっても衛星の軌道投入が成功するか、軌道投入がうまくいっても通信が成功するか、通信が成功してもミッションである「水蒸気観測」が成功するか、といったハードルが多かったため、賭けのような企画でした。一方では、日本に2か所しかないロケット発射場がいずれも鹿児島にあることがいかに幸せなことかと、上村と話しながら制作した次第です。

担当 MBC 南日本放送 プロデューサー 諏訪園 真人

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