PageTopButton

投げられない球種はない! 大投手は町工場のピッチングマシーン

大分県別府市のニッシンエスピーエムは、野球の練習で使用されるピッチングマシーンを主に製造している。常務の高橋陽郎さん(40歳)含む社員はわずか11名ながら、全国の高校野球チームなどに年間3~400台を納品し業界シェア2位。九州ではシェア1位の会社である。そこまで上り詰めた理由に「アフターケア」と「安全性」が挙げられる。消耗品であるピッチングマシーンにおいて町工場の利点をいかし小回りと気配りによって、さらに顧客を増やしている。

また自社の製品を使用し建設したバッティングセンターがショールームの役割となり、視察に訪れた韓国の企業から受注が入り、今年1月に韓国テジョンの繁華街のビルの一角にバッティングセンターを完成させた。現在主力として製造しているのが、3つのローターが回転するマシーン。回転速度を変えることで、あらゆる変化球を投げることができるという。

高橋さんの次の目標は、この3ローターマシーンがズラリと並んだバッティングセンターを作ること。まずはボールが出てくるタイミングが取りづらいというデメリットを解消するため、投手映像CG作成に取り組んでいる。
海外からも注目される小さな町工場の仕事に迫る。
有限会社ニッシンエスピーエム 住所 大分県別府市古市町881番地181
TEL 0977-27-8300
FAX 0977-67-8550
その他の情報 http://www.sports-machine.co.jp

取材後記

私は小学校から高校まで野球一筋だった。その練習で使っていたものが今回のピッチングマシーンであったかは明らかではないが、私同様野球経験者なら必ずウズウズしてきたに違いない。しかも、バッティングセンターでスライダーやカーブなどランダムで変化球が打てるなんて想像もしていなかったことだろう。そう、野球経験があると「無理」と決めつけてしまうことを、このニッシンには「無理」という言葉ではなく工夫を凝らして作り上げる「頭脳」と「忍耐」を持ち合わせている。

ちなみに、現在韓国にある9つのプロ野球チーム全てでニッシンのマシーンが使われていることを書き添えておこう。

実は、バッティングセンターでお客が並んで打っているシーンで、一番奥で気持ちよく打っているのは私です♪取材中でしたが、僕の野球魂に火がついてしまいました!
OBS 大分放送 佐藤 康太

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう