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なくしたい!ジェンダーバイアス

SDGsジェンダー

“女のくせに”“男の子なんだから”…誰かからそんな風に言われたり、逆に言ったりしたことはありませんか?また、性別による“押しつけ”を感じたことはありませんか?

 

「ジェンダー」とは社会的・文化的に作られた性別のことで、「ジェンダーバイアス」とは“男らしさ”“女らしさ”という枠の中で“そうあるべき”という偏見や差別のこと。無意識に発した言葉や行動が、生きにくい社会を生み出しているかもしれません。

 

最近、世の中で変わりつつある「ジェンダー」の意識。福岡市の中学校の制服がスカートでもズボンでもいい選択制になったり、世界大手のおもちゃ会社が「#おもちゃに性別いるのかな」というコピーで商品のPRをしたことで話題になったりと、少しずつ変化はしているものの…日常はまだまだ大きな壁ががるようです…

 

ゲストはお笑い芸人「フォーリンラヴ」のバービーさん。バービーさんはコメンテーターやエッセイストとしても活躍中で、女性の本音を代弁した初のエッセイ集を昨年発表。
最近、女性たちのオピニオンリーダー的存在になっています。そんなバービーさんと一緒に「ジェンダーバイアス」について考えていきました。

 

まずは日常に溢れるこんな場面について。
「これってジェンダーバイアスではないですか?」


女子:中学生になって少しずつ料理を手伝うようになった私。
母:「あら!大きさがばらばらよ~!これじゃ、いいお嫁さんになれないよ」
女子心の声:「いいお嫁さん…?そもそも、料理って女の人がつくる決まりなの??」
 

① 家庭編

女子:中学生になって少しずつ料理を手伝うようになった私。
母:「あら!大きさがばらばらよ~!これじゃ、いいお嫁さんになれないよ」
女子心の声:「いいお嫁さん…?そもそも、料理って女の人がつくる決まりなの??」

② 学校編

男子:授業中、うとうとしていたら…
先生:「おい田中!起きろ!!お前何しに学校来てんだ!」
先生:「あっ鈴木。隣の前田起こしてやれ」
女子:「ふわぁ~あ。」
男子心の声:「あれ?なんで女子には甘いのに男子には厳しいんだろう??」

③ 職場編

男性:共働き、ある日、3歳の息子が熱を出して…
男性(電話越し):「子供が発熱したので、有休をとりたいんですが」
上司:「え?なんで?奥さんは?」
男性心の声:「う~ん子供の面倒って、協力してみるものじゃないの…?」

④ 恋愛編

女①:「あーあ、恋愛したいなあ」
女②:「ねえ、加藤君とかどうなの?」
女①:「まあ、かっこいいけど、男なのに身長低いからなあ~」
加藤君の訴え:「背が低いと、男として見てもらえないの?」

西南女学院大学の倉富教授によるとジェンダーバイアスの問題点として

①その人の個性・能力が生かされないこと
②男性・女性に当てはまらない人が排除されるきっかけになる可能性があるということ

があげられるとのこと。また大きな壁は世代の違いで管理監督者である立場の人達の考えが古いということ。その世代は、高度経済成長期は「男性はサラリーマン」「女性は専業主婦」という“良い記憶”が根強く残っていることで、新しい考え方にシフトしにくいのだと話します。
 

世代の違いというのは一番身近な家族の間にもあるのです。 “男の子だから絶対できる”とか“男なんだから泣くな”とか“女の子なんだから家の手伝いをして当然”などと言われることにより、発達の初期の段階でジェンダーバイアスは植え付けられている可能性が。性別を認識するのが2~4歳の間だと言われている為、“小さいからわからない”ということはなく、赤ちゃんの頃から性別関係なく育てる必要があると倉富教授は言います。
 

「ジェンダーバイアス」について考える機会を、小学生のうちから教育現場に取り入れている学校があります。
福岡県嘉麻市にある下山田小学校では、ジェンダーに関する学習を日々様々な科目に盛り込んでいます。
 

例えば1年生の“生活科”での授業。“家の仕事の役割”について考える授業では、それぞれ自分が家族の一員として何ができるかを考え、男女共同参画の基本となることを学びます。嘉麻市では平成30年に男女共同参画推進条例が施行され、子供たちにも条例を伝えていきたいという思いから教材を作成。絵やキーワード等を使い小学生にもわかりやすい冊子作りを意識したのはもちろん、実際に子供達に教えるための先生用の教材も製作したとのこと。
 

授業を通して“男だから”“女だから”という性差にかかわらず、自分らしさを生かして社会を生き抜く、それを喜びにして欲しいと下山田小学校の宮脇教頭先生は願っています。

スタジオでも身近に潜む「ジェンダーバイアス」について考えてみました。
「女がモテるのは“料理上手”が条件なのか?」バービーさんは「女性側も男性側も家庭の中で毎日支度するのは女性という先入観をもっていて、家庭的イコール料理上手と思われがち。容姿がすぐれていないと料理上手という中身で勝負をしないといけないのではないか、という考えに違和感を感じる」という意見。「自分達の頃は胃袋をつかみなさいよという言葉が自然と入ってきていたが、今の子供達にはその言葉は通用せず、男の子が料理を作ってもいいのでは?男女差の線をひかない時代になっているんだなと感じる」と池尻アナ。

 

まだまだ課題だらけの「ジェンダーバイアス」
どうすれば解決するのか?バービーさんはこうまとめます。
“ゆっくりとした話し合いが必要。話についていけない人達があぶれないように”
“お互いに言葉がかみ合わず、すれ違いが起きることがないように”
“自分以外のジェンダーを攻撃することがないように”

 

急がず怒らず…みんなで学びながら、理解し合いながら、問題を解決していくことが必要なのかもしれません。
 

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