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理想は鏡!~水の流れで世界を変える

西日本流体技研(長崎県佐世保市)は、船舶が航行する際に受ける水の抵抗、つまり、『回流水槽』という特殊な実験装置で“水の流れ”を研究している会社だ。 推進性能の高い船型への改良や新型漁船・推進器を開発。

新型の省エネスクリューの開発で、世界のタンカーの航行を変えたといわれている。 回流水槽をつくるメーカーとしては、国内の8割のシェアを誇る。
橋詰泰久専務(55)は、自らを“流体おたく”というほど研究一筋の人物。 回流水槽の理想の水面は鏡。そして、均一な流れ。 この高度な技術で世界の評価は高い。流水の研究が思わぬ展開をみせる。

水の抵抗を受けにくい漁具漁網の開発。
漕艇・水泳競技、救難の強化訓練施設への応用。
また、病院や大学などには、流水バスやリハビリ装置などを開発、健康・医療分野へも 広がっている。

特にプロペラを使った流水プールの生産高は国内1位だ。 世間にはまったく知られていない技術だが、常に我々の身近にある大切な技術である ことを紹介したい。

<取材先データ>
会社:西日本流体技研
住所:長崎県佐世保市小佐々町黒石339-30
電話:0956-68-3500
HP:http://www.felco.ne.jp/
◆その他:
・流水バス・プール…『ジャパンアクアテック』
(西日本流体技研のグループ会社)が製作
住所:長崎県佐世保市小佐々町黒石339-41
TEL:0956-68-3510
・佐世保スイミングクラブ
住所:長崎県佐世保市棚方町283
TEL:0956-22-6214

取材後記

西日本流体技研。地元でも名前は聞いていても、何を仕事にしているのか、ほとんどの人が知りません。 それもそのはず、研究機関のための、研究・実験装置及びデータ等の提供を仕事にしている会社です。

「バブルもリーマンショックもまったく無関係」、 「隙間でひっそりと生き残ってきました」と橋詰専務。しかし、その技術が、医療やスポーツなど、様々な分野で応用されています。 ただ、とにかく秘密の多い会社です。取引先との関係は、すべてオリジナルの開発や研究なので、インタビューも言葉を選びながらの取材です。 また、流水プールやバスは、全国の多くの大病院やスポーツ施設で利用されています。

しかし、なかなか公にするのが難しいようです。 中には、すでに2020年の東京オリンピックに向けて準備している施設も流水を活用しているようですが、それがどこなのかは秘密です。 とにかく、トップシークレットばかりでしたが、この技術が日本だけでなく世界の環境や医療、スポーツなど様々な分野の根幹を変える技術なのは間違いないようです。
担当:NBC長崎放送 中原 暎二

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