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後輩たちが教えてくれたもの|アナウンサーコラム

またしても、届かなかった。10月23日に行われた箱根駅伝予選会。母校の筑波大学は13位で、上位10校に与えられる箱根駅伝への出場権を掴むことはできなかった。
予選会6位で26年ぶりの復活出場を果たしたのが2年前だ。連続出場を目指した昨年は、11位。10位のチームとの差はわずか18秒だった。

国立大である筑波大学は、私立大学に比べて環境が恵まれているとは言えない。それでもクラウドファンディングで資金を募るなど、様々な方法を模索しながら箱根駅伝出場という夢に取り組んでいる。私は実力も実績もないOBだが、今の学生たちの姿を見ていると、実力はもちろん、意識もとても高い次元にあるのだろうと尊敬の念を禁じ得ない。

ただ、そんな後輩たちに「先輩面」をできたことがある。それが2年前の箱根駅伝だ。沿道で筑波の応援をするという夢を後輩に叶えてもらいながら、レース後には「よく頑張ったな、ありがとう」と声をかけた。

11月3日、九州実業団毎日駅伝が行われる。私は昨年同様、第2放送車の実況を担当する。「走る」ことにとことん真摯に向き合うランナーへのありったけのリスペクトを込めてマイクに向かい、熱いレースを見守った。

11月6日(土)毎日新聞掲載



井口 謙 RKBアナウンサー。山口県下関市出身。

【担当番組】
テレビ:タダイマ! ラジオ:カリメン エキサイトホークス おしゃべり本棚

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