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発掘!?都市油田

飲食店や一般家庭などの使用済み植物性油からバイオディーゼル燃料(BDF)を製造、販売する熊本市の「自然と未来」。

BDF製造業者は珍しくはないが、それを主業にする企業は全国でも少ない。「軽油代替燃料」と位置づけられトラックや農業機械などに使用可能だが「値段が高い・使えば故障する」といったイメージが根強いBDF。だが「自然と未来」が製造する「くまエネ100」は研究・改善を重ね、軽油とほぼ同等の品質を誇るまでに。それまでの業界常識を覆した。

この「くまエネ100」の販売ルートそして自らが「油田」と呼ぶ、使用済み油の回収先を増やすために県内外を奔走するのが社長の星子文(40)。家庭から出た使用済み油が農機具を動かしその畑で作られた作物が食卓に並ぶ…「BDFを通した地産地消のエネルギー循環型社会」というコンセプトと技術力が認められ3年前には環境省の「環境大臣表彰」を受賞した。とはいえBDFが一般的な普及したと言うには程遠い。

さらに原油価格が下落している今、競争力は低く経営は非常に厳しい。にもかかわらず星子はBDFの増産を決意、新工場の建設に踏み切った。己の理想とする未来に向かって邁進する
女性経営者の姿を描く。
<取材先データ>
会社名:自然と未来
担当者:星子文(代表取締役社長)
住所:熊本県熊本市西区新港1丁目4-17
電話番号:096-342-6550
HP:http://the-earth.org/ その他:?熊本港近くの自社内に「くまエネ100」の給油所あり。
購入社にはタンクローリーでの配達・貯蔵タンク設置も実施している
熊本市中央区本荘の「東光石油」スタンドでは軽油に「くまエネ100」を5%混ぜた燃料 「くまエネ5.0」も販売中。
いずれもディーゼルエンジン専用。

取材後記

苦しい状況でも「夢実現のために与えてもらった試練」と考える超プラス思考の人。
取材した「油田先」やユーザー、関係者は「星子さんの夢に巻き込まれた」と口々に話していました。
周囲を引き付ける明るい笑顔と空気感。失礼ながら「かわいがられている」という印象です。そして天然…?

星子さんは約4年前から毎月一度、熊本城下を流れる坪井川を仲間とボランティアで清掃しています。子どもの頃に育った山鹿市の山村が心の原風景にある。

「汚れた水を美しく」そういう意識が仕事の原点です。実は(カットしましたが)このシーンの撮影に私は少々遅れて合流したのですが数日後、その時の話を私に生き生きと語られました。 「来ればよかったのに!」私、1時間近く現場にいてインタビューもしましたが…自らの存在感の薄さに 反省です。天真(天然?)爛漫に夢を語り、人と繋がる。「東京五輪の聖火に我が家のてんぷら油が!」まずは最寄の「油田」が生まれ、協力者が増えるような状況ができることを願っています。

担当:RKK熊本放送 北山 周平

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