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すっぱいぶどうの逆襲|アナウンサーコラム

私はぶどうが大好きだ。偏愛していると言っていい。毎年ぶどうの品種を体系化して楽しむのだが、今シーズンはまもなく閉幕。名残惜しいものだ。あんまり淋しいので、本コラムに想いを吐き出すことにした。勝手な話で申し訳ない。

ぶどうの品種は数多い。それは、様々なニーズに応えて改良を繰り返してきたためだ。その始まりは、「すっぱいぶどうを甘くすること」だったという。続いて、大きくしよう、皮ごと食べよう、種をなくそう…。ぶどうに対する人類の欲求は、とどまる所を知らない。

そんな中、今年9月、期待の新星が堂々デビューを果たした。その名は「クイーンルージュ」。気品あふれる紅い実は、皮ごと、種なし、高糖度と三拍子そろっている。今後ブドウ界を席巻すること間違いなしの大型新人だが、ある感想に私は度肝を抜かれた。

「大変甘い。美味しい。ただ、もう少し酸味が欲しい」

なんと、ここにきて人類は、再びぶどうに酸味を求め出した。要求が一巡している。イソップの狐もびっくり。ということで、今後のトレンドの鍵は「酸味」。あえて言おう、すっぱいぶどうの逆襲が始まるよ。なお、これはあくまで個人的意見なので、責任は負いかねます。あしからず。

12月4日(土)毎日新聞掲載



冨士原 圭希 RKBアナウンサー。千葉県出身。

【担当番組】
テレビ:まちプリ ラジオ:カリメン 日産ワイドサタデー/土曜 de R。 エキサイトホークス おしゃべり本棚

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