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情報から情緒へ!印刷会社の挑戦

1910年に創業し、大分県内で最も古い歴史をもつ印刷会社「高山活版社」。
活版印刷は、鉛でできた文字や記号を組み合わせて型を作り、圧力をかけることで紙にインキを転写させるもの。しかし時代の主流は短時間で大量生産できる「オフセット印刷」に変化。高山活版社も1979年の社屋移転に伴い、活版印刷から「オフセット印刷」に完全移行し、企業向けの伝票や婚礼関係の印刷物などを請け負ってきた。

高山英一郎さん(42)が6代目社長に就任した2014年。社名を見た客から「活版印刷ができるか」という問い合わせが増加。調べてみると、海外で活版印刷がブームになっていた。これに目を付けた高山さんは活版印刷の機械を買い戻すとともに、受注を待つだけでは新しい時代を乗り切れないと、デザイナーとコラボしてオリジナル商品の制作に乗り出した。

2016年の熊本地震を機に、命を守るために必要な情報を印刷した防災用アルミシートを開発。さらに「情報を残す印刷物」から人の心に寄り添う「情緒を感じる印刷物」の開発に着手。誕生したのは4種類の色が違うノート。果たして「情緒」を感じるノートとは。

世界に向けて販路拡大を狙う印刷会社の挑戦を追う。
取材先:株式会社 高山活版社
担当者:高山英一郎(代表取締役社長)
住所:大分県大分市片島尻込301-1
TEL:097-568-8227
HP:http://takayama-print.main.jp/

取材後記

高山社長と出会ったのは2年前。当時、防災グッズの「あったか銀紙」を取材させてもらった時に「面白いことを考える人だな」という印象を持ったことを覚えています。今回番組で取材するにあたり、当初は「あったか銀紙」をメインにしようと考えていました。しかし再びお会いした時に、これまでにない新しいノートを考案していると聞き、面白いものができると確信し取材を始めました。

「NOT A NOTE」は使用する紙の色や質、活版の文字や線などを決めるため、会議や試作品を何度も繰り返すことで誕生しました。人によって使い方や感じ方は自由で、この新しい形のノートが今後、どんな広がりを見せていくのか楽しみでなりません。

(OBS大分放送 / 佐藤 康太)

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