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魚を活かす究極の血抜き

「魚は鮮度が1番!!」これまでの水産業界において当たり前とされてきたこの言葉。しかし今、魚本来の深いうま味が味わえると、「熟成魚」がブームとなっている。この熟成魚の世界で、全国の水産関係者から注目を集めている男が宮崎にいる。宮崎市の水産卸会社 長谷川水産に勤める津本光弘さん(44)。津本さんが注目される理由は、独自に編み出した「津本式」と言われる血抜きの方法だ。

魚を熟成する際に最も気を付けなければいけないのが魚の「血液」。血液中の酵素の働きで、魚が生臭くなり、熟成ではなく腐敗が進んでしまうのだ。この熟成の敵である血を、「津本式」を使うことによってほとんど抜くことができる。

さらに血を抜いた後も、津本さん独自の保存方法により1ヶ月を超える長期熟成を実現。この津本式のおかげで魚の長距離運搬が可能となり、宮崎で獲れた鮮魚が、海外では熟成魚としてお客の口へと運ばれるのだ。
自らのことを“魚の仕立て屋”と呼ぶ津本さん。「魚嫌いだった子供がおいしそうに食べてくれることが1番うれしい」と話す。意外と簡単で、意外と深い熟成魚の世界にカメラを向けた。
■取材先
会社名:有限会社 長谷川水産
担当者:津本 光弘
住所:宮崎県宮崎市新別府町前浜1401‐9
電話:0985‐48‐6868
HP:https://kanemasa-hasegawa.jp/ その他:海鮮丼/海鮮長谷川
営業時間:午前11時~午後2時 TEL&住所:(長谷川水産と同じ)

取材後記


今回の主人公 津本光弘さんと初めてお会いした時に、「記憶に残っている海鮮料理はあります?」と聞かれました。
海鮮丼やお鮨などは好きでよく食べますが、思い返してみると、記憶に残るほどの海鮮料理はありませんでした。
「究極の血抜きをした熟成魚は記憶に残りますよ」と津本さんは言いました。熟成カンパチ、熟成サーモン、熟成タイ、熟成ブリなどなど。
今回の取材では色んな熟成魚を食べる機会がありました。
そのときの味は鮮明に記憶に残り、取材が終った今でも、思い出すだけで口の中にヨダレが溢れてきます。

取材を通して津本さんと話していると、魚に関する知識の豊富さに驚きます。
その知識に根源となっているのは、「魚っておいしいんだよ!もっと魚を食べて!」という思いです。

津本さんはこれからの水産業に関して、「この究極の血抜きがあれば、これからの水産業はもっともっと伸びていきますよ!」と言います。
あの熟成魚の味を知ってしまうと、納得せざるを得ません。
この文章を書いているだけでヨダレが出てきました。
担当:MRT宮崎放送 濵田 紘仁

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