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行き場を失いつつある飛沫対策の「アクリル板」→絶滅危惧の動物キーホルダーに

新型コロナウイルスの感染対策に使われていた「アクリル板」の多くは、いまは撤去され行き場を失っています。このアクリル板を動物のキーホルダーとして生まれ変わらせ、動物の命を守ろうという取り組みが九州産業大学で行われています。

絶滅危惧の動物をモチーフにしたキーホルダー

アミメキリンやユキヒョウなどかわいらしい動物をかたどったキーホルダー、これらは「アクリル」由来のものです。

 

RKB原口佳歩「キーホルダーは使われなくなったパーティションからできています。絶滅危惧種の動物がモデルです」

 

福岡市の九州産業大学では、新型コロナの5類移行に伴い大量のアクリル板が撤去されました。行き場を失ったアクリル板を有効活用できないか、考えた末に芸術学部のゼミがたどり着いたのが「アクリルアニマルプロジェクト」、絶滅が危惧される動物をモチーフとしたキーホルダー作りです。

 

九州産業大学芸術学部・伊藤敬生教授「絶滅する動物のことも想像するし、過ぎ去ったコロナのことも『コロナの時に僕たちを助けてくれたアクリル板なんだよね』とどこか見る度に思い出す、2つの動機付けが生まれるんじゃないかと考えた」

アクリルを切り取る工程は賛同企業が担当した

販売開始まで2週間ほどとなったこの日、教授と学生たちは抜き型の製造などを手がける久留米市の企業を訪れました。アクリル板を消毒し、学生のデザインをもとにカットする工程は、プロジェクトに賛同した企業が担当しました。学生たちはひとつひとつに丁寧にやすりをかけ、仕上げます。

 

芸術学部2年・野村優亜さん「想像通りですね!」
芸術学部4年・有馬優さん「動物の命を救えるものになったらいいな」
製作に協力した「モリサキ」森崎准一社長「アクリルは再利用もなかなかありませんし、今後使われる機会も少ないと思っていた、素晴らしいアイデアですね」

動物の個体数などの“絶滅”に思いをはせる仕掛け

福岡市中心部にある商業施設の地下にカプセルトイの機械が設置されると子供から大人まで幅広い世代が集まってきました。視線の先には丸いフォルムがかわいい文鳥。特徴をよくとらえたチンパンジーもいます。

 

芸術学部3年・宮副咲葉さん「コロナ禍にどんなことがあったか忘れず、絶滅危惧種のことも少し知っていただけたらいいです」
伊藤教授「ポップアップを続け、サイトで多くの人に販売し寄付を集めたい」

 

カプセルトイは1回300円、キーホルダーは全部で15種類あります。中には動物の生息地や個体数などを書いた説明書も入っています。6月30日まで販売され、利益はすべて日本動物園水族館協会に寄付されます。

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