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「母親には殺意もっていない」両親殺害の罪で起訴19歳「特定少年」の裁判始まる 佐賀地裁は名前など伏せて進行

佐賀県鳥栖市の住宅で今年3月、両親を殺害したとして殺人の罪に問われている元大学生の長男(19)の裁判員裁判が1日、佐賀地裁で始まりました。長男は「(父親については)間違いありません。母親は殺意をもっていたというのは違います」などと述べ、起訴内容を一部否認し、弁護側は少年院送致などの保護処分を求めました。

長男、母親への殺意を否認

起訴状などによりますと、長男は今年3月、鳥栖市の実家で父親(50代)と母親(40代)をナイフで刺して殺害したとされています。佐賀地裁で1日始まった裁判員裁判の罪状認否で、長男は「(父親については)間違いありません。母親は殺意をもっていたというのは違います。」などと述べ、起訴内容の一部を否認しました。弁護側は、懲役刑などの刑事罰ではなく、少年院送致などの保護処分が相当と訴えました。

検察側は「中学生のころから父親に殺意抱いていた」

一方、検察側は「被告人を止めようと前に立った邪魔な母を排除しようと殺意を持って刺した」「小学生のころから父親に厳しく叱られ中学生のころから殺意を抱いていた」と主張しました。今後、被告人質問や証人尋問が行われ、7日に結審したあと、15日に判決が言い渡される予定です。

「特定少年」 佐賀地検は長男の実名を公表

長男を巡っては、少年法が適用される18歳以上の「特定少年」にあたり、起訴後の実名報道が可能です。佐賀地検は、長男を起訴するにあたり「改正少年法の趣旨と附帯決議の内容などをふまえ、殺人事件という重大事件であることなど諸般の事情を考慮した」として、実名を公表しました。

佐賀地裁は「名前など伏せて」公判

一方、佐賀地裁は、長男や殺害された両親の名前、住所などの「被害者特定事項」を秘匿して裁判を進めることを決定しました。1日に始まった裁判も、長男の名前や特定に関わる事項は伏せられたまま進行し、長男の姿が傍聴席から見えないように遮蔽されています。
裁判の進行をめぐっては、遺族の弁護側が、佐賀地裁に被害者特定事項の秘匿を要請していました

実名か匿名か 報道機関の対応わかれる

長男の名前について、報道機関の対応も分かれています。全国紙や地元紙、NHKは長男を匿名のまま起訴のニュースを伝えました。一方、福岡の複数の民放局は実名で報じ、顔写真を掲載したところもありました。RKBでは、少年法が適用される18歳と19歳の成人被告・特定少年について、「実名」で報じるかどうか事件ごとに判断することにしていて、この事件については取材を踏まえた上で、長男の「名前」と「顔写真」を出さずに報道します。

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