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「言葉を話せない相手と“会話”する」警察犬を育てて38年、ベテラン係長の極意は「犬目線」

事件や災害、行方不明になった人の捜索など警察犬は、現場の最前線で活躍を続けています。警察犬に向き合い続け今年で38年になる全国屈指のベテラン警察官を取材しました。

ミカン畑から覚醒剤、土中から遺体...警察犬で捜査が進展


福岡県警の訓練所で警察犬に向き合う男性は、刑事部鑑識課の警察犬係長・村上年一警部補です。紐のついたボールのおもちゃを目の前にして、6歳の雄のシェパード「ラガーくん」がお座りしていました。

村上警察犬係長「ラガーは本当はとりたくて仕方がないんですけど、ちゃんととらずに待ってくれるという関係作りですね」

ほとんどの警察官が、県警本部や各地の警察署を拠点とする中38年にわたって警察犬の訓練所と事件、災害などの現場で仕事を続けてきた村上さん。1993年には筑後地区のミカン畑に隠されていた1キロの覚醒剤を発見。2007年には山口県下関市の造成地で土に深く埋められた暴力団幹部の遺体の場所を特定。パートナーの警察犬とともに数々の実績を挙げてきました。自他共に「警察犬一筋」と認める村上さんがこの仕事を志したのは高校生のとき。当時、自宅で飼っていたジャーマン・シェパードを訓練所に通わせたことがきっかけでした。

村上係長「(民間の警察犬訓練所に)片っ端から手紙を出して、そのうち1か所から是非遊びにおいでと返事をいただいたので、遊びに行っていろんな話を聞いたんです。その中で県警が独自に持っている直轄警察犬の話も知りました」

犬にも個性、「忘れん坊」のタローにも根気強く向き合う


1982年に警察官に任官して約1年半後に念願の警察犬係となった村上さんは、これまで23頭の警察犬とともに仕事を続けてきました。すべての犬に思い入れがあるといいます。

村上係長「このウィンくらいまでは幼犬のときから訓練する形だったんでですね。このタローちゃんはなかなか物覚えが悪くてですね、やっと覚えてくれたことも翌日にはすっかり忘れているということの繰り返しだったんです」

福岡県警には、6頭の警察犬が所属しています。村上さんの後輩たちが、それぞれ1頭ずつを担当しています。村上さんは、全国屈指の経験と実績を重ね、今年7月に福岡県警の技能指導官に任命されました。今は飼育担当の警察官を指導する立場です。

後輩を指導する村上係長「もうちょっと、自分のほうに引きつけるような形で...」

警察犬に「待て」や「座れ」などの指示を出して従わせる”服従訓練”では、犬の注意をいかに自分に向けさせるかが重要になります。

村上係長「できるだけ静かな状態で座れして待たせて。一度かけた命令をちゃんと守れているかどうかをチェックしながらやってもらうのが基本ですね」

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この記事を書いたひと

奥田千里

2000年生まれ。福岡県北九州市出身。

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