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1皿ごとに溢れる楽しさ!東区で見つけた独創的なフランス料理

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映画や音楽のように、心を癒し、明日への活力をくれるコンテンツを「エンターテインメント」と呼ぶことがあります。ならば、同じ力を持つグルメもまた立派な「エンターテインメント」ではないでしょうか。今回訪ねたのは、そんなエンタメ指数の極めて高いレストラン。きっと忘れられない思い出になりますよ。

mamagoto外観

東区筥松の川沿いにある「mamagoto」は2017年にオープンしたフレンチ店です。最寄りの地下鉄貝塚駅やJR箱崎駅とは1km以上離れ、交通至便ではないものの、市内外のリピーターやインバウンドから予約が頻繁に入るとか。わざわざ足を運んでも食べたい料理があることを、すでに多くの人が知っているようです。

mamagoto店内

入店すると、目の前にはカウンター6席のフロア。ビストロ風の飾らぬ空気の中、辻塚幸祐さんが温かく迎えてくれました。東京やフランスで腕を磨いた辻塚さんは、カナダで日本大使館の料理長も務めた方。その際日本の料理や素材の良さを再発見し、現在の独創的な料理に繋がったと言います。
「片足をフレンチに置き、もう片足は踏み外してる感じでしょうか(笑)。それでも伝統技法をベースに、あくまでフランス料理として作っています」。そう言って、49歳のオーナシェフは人好きのする笑顔を浮かべました。

mamagotoアミューズ1 mamagotoアミューズ2

そんな“辻塚ワールド”は初手から僕らを圧倒します。予約した13,200円のコースは、なんと8皿を同時に出すアミューズで開幕。すべてにアイデアや手数が感じられ、おざなりなものは一つもありません。
この日は、赤貝の海水ジュレ&フロマージュブランのソース。ホタテのタルタルを入れたヒオウギ貝のモナカ。鴨のカナッペ、ヤギのチーズ&キノコのペースト乗せ。ゴルゴンゾーラのミルフィーユ。鳥の巣に見立てたものは自家製グリッシーニ……などと凄まじい情報量です。「まずは品数で驚いてほしくて」と辻塚さん。おもちゃ箱をひっくり返したような楽しさに、両隣で歓声が上がっていましたよ。

「いきなり飛ばし過ぎでは?」と一瞬心配したものの、すぐに次の前菜5品が心をガッチリ掴みます。1品目は、ご飯を使ったサラダとカツオに(ソースがわりの)スナップエンドウのアイスクリームをかける一皿。ひんやりした食感と爽やかな香気が晩春の気候にぴったりでした。霧の湖を思わせる、幻想的なビジュアルも素敵ですね。

mamagoto前菜2

2品目の前菜は本に見立てた器で登場。ページを開くと、桜チップの薫香と共に馬肉のカルパッチョ風が現れました。アンチョビソースとパルメザンチーズの取り合わせも絶妙。このように演出こそ斬新ですが、先述の通り、味は紛れもなく筋金入りの“フレンチ”です。見た目重視の創作料理と一線を画す、シェフの確かな技量を実感。2019年のミシュランガイド掲載は伊達じゃないのです。

mamagotoメイン

前菜と魚料理を食べ終えると、続いて肉料理の鳩とご対面。これまた王道の美味ですが、ソースの出汁にアサリを使う趣向がユニークです。「バスク地方には肉と魚介を合わせる伝統があり、それをヒントにしてみました」。意外な相乗効果が複雑な妙味を生む、新感覚の一品でした。

mamagotoデザート

そして、気づけば楽しい時間はもう終わり。締めのデザートの2品目は、必ずこの「光るデザート」が供されます。カウンターに埋設したライトに照らされ、キラリと輝く志賀島の甘夏と赤紫蘇のシャーベット。最後の1秒まで楽しんでほしいと願う、辻塚さんのこだわりです。

mamagotoシェフ

「同じ料理を作った記憶がありません」と語るほど、ありったけの技と創意で「エンターテインメント」を表現する辻塚さん。そのための膨大な準備や情熱を思えば、13,200円はかなりお値打ちに感じます。この日胸に残ったのは、テーマパークで大いに遊んだ高揚感と、祭りの後の寂しさでした。
「“美味しかった”より、“楽しかった”と言われる方が僕も嬉しいです」と辻塚さん。「料理はあくまでパーツの一つ。それをきっかけに話が弾み、良き思い出づくりを応援できたら、僕はそれで幸せなんです」。そう、ここに待つのは唯一無二のフレンチ体験。その驚きや楽しさを、少しでも多くの人に知ってもらえたらと思います。

この記事は積水ハウス グランドメゾンの提供でお届けしました。

店舗名:restaurant mamagoto
ジャンル:フランス料理
住所:福岡市東区筥松3-12-20
電話番号:092-629-8272 要予約
営業時間:12:00~14:00/18:00~22:00
定休日:不定
席数:カウンター6席
個室:なし
メニュー:ランチコース5,500円・7,920円、ディナーコース9,900円・13,200円
URL:https://www.instagram.com/mamagoto.fukuoka/

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この記事を書いたひと

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