宮崎県日向市美々津の山間に、日本にわずか4軒しか残っていないとされる天然樟脳(しょうのう)を作っている会社があります。代表を務める川野玲子さん(56)は、時代の流れと共に姿を消しつつあった、この伝統産業を未来へ繋ぎ、“香り”で地域を元気にしようと活動しています。
高校時代から香りに興味があった川野さんは、東京で化粧品業界に20年間携わったのち、2011年に母の他界をきっかけに、地元・美々津にUターン。そこで偶然出会ったのが、地元の名産「日向樟脳」でした。
日向樟脳の香りに、可能性と衝撃を受けた川野さんは「この香りを絶やしたくない」という思いで、地元の障害者施設の人たちと連携しながら、樟脳の生産を始め、さらに新たな取り組みとして、樟脳入り入浴剤の開発にも挑戦するなど、活動の幅を広げています。その取り組みには、かつての同級生も共鳴し活動の輪は広がっていきます。地域の仲間と共に、失われかけた伝統産業に情熱を注ぐ、川野さんの“樟脳愛”と“郷土愛”をお伝えします。(MRT宮崎放送/渡部 展久)
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