PageTopButton

料理人としての技が光る名店仕込みのパンの数々

UMAGA

名店揃いの福岡のベーカリーのなかで一目置かれるお店といえば、箱崎に本店を構える「pain stock(パンストック)」ではないでしょうか。同店で腕を磨いて独立する方も多く、そういったお店を訪れると「さすがパンストック出身」と納得するおいしいパンに出会うものです。

2025年8月、美野島にオープンした「épi(エピ)」もそんなベーカリーのひとつ。店主の中原秀平さんは、フランス料理人としてホテルに勤務したのち、アメリカ・デトロイトなど海外の日本大使館や総領事館でフレンチをはじめ、日本食などさまざまな料理の腕を振るった経歴の持ち主です。

「1から10まで自分の手で作りたい」という想いをもって中原さんが次に選んだのは、それまでに経験のなかったパンでした。帰国後、福岡市近郊でパンを食べ歩き、一番おいしいと思ったという「パンストック」の本店に入店。同じ分量や手順で作っても、日によって状態が変化するパンづくりに奥深さとおもしろさを感じたといい、約5年間にわたってパン作りを学んだ後、独立を果たしました。

扉を開けると、コンクリート打放しのスタイリッシュかつシンプルな空間が広がっています。カウンターには焼き立てのパンが勢ぞろい。その先にはオープンキッチンがあり、パンが次々と焼きあがる様子を見ることができます。

パン作りに使用する粉は、ライ麦粉以外は北海道・九州産の小麦粉。小麦本来の香りや風味を引き出す低温長時間発酵、高加水の製法で作られています。

平日は50種、土曜は60種ほどのパンは、ソフト系からハード系、サンド系など多彩なラインナップ。メロンパンやクリームパン、明太フランスなどに「パンストック」出身のベーカリーらしさを感じますが、それにとどまらないのが「épi」のパンの魅力でもあります。

ずらりと並ぶのは、フランス料理人として、またさまざまな料理を作ってきた経験が伝わる多彩なパン。特にサンドやピザパン、タルティーヌなどの惣菜系パンは、素材の組み合わせも個性的で、早めに売り切れる人気商品です。パンに使用する具材やフィリングなどはほぼ自家製で、ハムやベーコンまでも手作りしているそうです。

パンは10:00過ぎの時間帯が一番種類豊富に揃っています。売り切れ次第閉店となり、土曜は14:00くらいに閉店になることも多いそうなので早めの訪問がおすすめです。

左から時計回りに「ロールサンド ケイジャンチキン・パクチー」(486円)、「ジャンボンフロマージュ」(486円)、「明太フランス」(432円)。「ピザパン ガーリックシュリンプ」(486円)。

ほかであまり見かけないロールサンドは、ジャガイモを練り込んだ生地を薄く延ばして短時間で焼き上げたモチモチ食感のパンを使用。食べ応えのあるスパイシーなケイジャンチキンにパクチーの清涼感がプラスされ、満足感がありながらもさっぱりと味わえます。ピザパンも同じ生地を使っているそうですが、カリッとした食感に焼き上げられています。

歯切れのいいバゲットにしっとりとした食感の自家製ハムとカマンベールチーズを挟んだ「ジャンボンフロマージュ」は、シンプルだからこそそれぞれの味が際立ちます。一番人気の「明太フランス」は、何度でも食べたくなる間違いないおいしさです。

左から「アップルパイ」(378円)、「チョコメロンパン」(270円)。アップルパイは自家製のリンゴのコンポートとカスタードクリーム、クレームダマンドをパイ生地で包んだ人気の商品。パイ生地はバターの香り高くパリッとした食感で、素材を惜しまず使っていることを感じられます。チョコブリオッシュ生地を使った「チョコメロンパン」は、トッピングに加え、中にもチョコチップが入っていて、幸せな甘さが広がる一品。どちらもおやつの時間がもっと楽しみになりそうなパンです。

「幅広いパンをつくっているので、好みのパンを見つけてみてください」と中原さん。ゆくゆくは夜の時間帯にワインバーを営業する構想もあるということで、そちらも楽しみです。

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう