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「復活」を合い言葉に!~甘木絞りに祈りを込めて~

かつて朝倉市甘木は国内有数の藍染産地だった。江戸時代から伝わる絞り染という技法で、きめ細かな模様が特徴の「甘木絞り」。しかし太平洋戦争中の繊維類統制令や戦況の悪化で生産ができなくなり、戦後も混乱が続く中で職人と共にその姿は消えてしまった。

人々の生活を彩っていた甘木絞り・・・今では知る人も少ない。故郷にあった伝統工芸品を復活させ、後世に伝えようと取り組む樋口トミ子さん(78)が甘木絞りと出会ったのは三十数年前のこと。地元の資料館に展示されていた昔の作品を見て、一瞬で心を奪われたという。

「作りたくても作れなかった昔の職人の気持ちを受け継ぎ復活させたい」。その後、独学で研究し、今では保存伝承の会を立ち上げ、高校では若者たちにその魅力と技を伝えている。

樋口さんがこの夏向き合ったのは、去年は九州北部豪雨のため中止せざるを得なかった地元の祭り、甘木祇園山笠。男衆は「甘木からふるさとの風景がなくなってしまった」と肩を落としていた。元気を取り戻したいと今年は開催を決め、甘木絞りで法被を染めた。「ふるさと」「祭り」、そして地元の伝統品「甘木絞り」。樋口さんの活動を通じ「復活」を祈る人々の熱い思いを追った。
(製作:RKB毎日放送 / 吉村 聡志)

※2018年12月23日に放送されたものです。

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