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ホークス選手の目の下の黒いアレ・・・視聴者の気になる!を選手に直接取材

福岡市内の校庭を通りかかると少年野球の試合を見かけることが度々あるが、子ども達の所作に憧れのプロ野球選手を感じることがある。バッターボックスに入って体を大きく後ろに反らした少年はきっと福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩選手に憧れているに違いないし、帽子のツバを折り曲げることなく真っ直ぐな状態で被っている少年は森唯斗投手や川島慶三選手、はたまたモイネロ投手のかぶり方に影響を受けているに違いない。
筆者の子供の頃は落合選手(元中日ドラゴンズ監督)のようにバットの先を見ながらバッターボックスでゆったり構えるような事を真似していたものだ。

しかし、未だに真似をしている子どもを一人も見かけていないのが両目の下のあたりに描かれている黒いアレである。シールだったり、マーカーだったりするが、あの黒いものは「アイブラック」というのが正式名称である。スポーツ用品店やネットでも普通に売られているモノだ。野球に限らず、さまざまな屋外スポーツに愛用者がいる。

アイブラックの一般的に知られている効果としては、太陽光線が目の下の肌に反射し、視界の妨げになるので、目の下を黒く塗って反射を抑える効果があるというもので、野球で言うと打球が上がったときに上を見上げて落ちてくるボールを捕球する際の妨げにならないようにというアイテムなのだ。

ただ、ホークスの本拠地は福岡PayPayドームであり、太陽光は一切ない(笑)。それなのにアイブラックを描いた選手が多いというのはどういうことなのか?対戦相手(ビジターチーム)は誰一人アイブラックを描いていないではないか。とりあえずちゃちゃっとネットで調べてみると、スタジアムのナイター照明でも効果があると記されていた。 “なるほど!”と、日本一になるチームというのはその辺の意識も違うのかと感心していたところである。

選手会長の中村晃選手にアイブラックについて聞いた事がある。

--------ホークスは意識の高さが凄いですよね。そりゃ強いわけだ。
中村晃:えっ?アイブラックですか?あれはおまじないみたいなもんですよ(笑)。

--------おまじないってなんですか?
中村晃:僕ら野球選手の最高峰ってメジャーリーガーでしょ。休みの日とかにテレビでメジャーリーグの試合とか観てて、プレーも凄いけどアイブラックもカッコ良いなぁって思うようになるのって野球選手あるあるなんですよね。それがホークスにはたくさんいたってだけの話ですよ。

--------えっ?でも照明の反射も抑えて視界良好って効果があるんでしょ?
中村晃:いや、僕は全く変わらないですよ(笑)。そもそも屋外球場のデーゲームだったらサングラス掛けて眩しさ対策しますしね。アイブラックはただのおまじないです(笑)。

--------え~~~!めっちゃ笑顔で普通に"おまじない"って...。
中村晃:まぁ効果があるって選手も中にはいるかもしれませんけど、ほとんどの選手がおまじないですよ(笑)。だから試合中に汗で取れていくんですけど、特に効果を感じないからわざわざ塗り直さないです。

拍子抜けにも程がある。 そこに通りかかった牧原大成選手にもアイブラックについて聞いてみると実際に近くで見せてくれた。

牧原:みんな黒い太めのリップクリームみたいなのでアイブラックを塗るんですけど、僕は汗で落ちていくのが嫌だからシールタイプを貼ってます。これだと試合中にタオルで汗を拭いても全く問題ないんですよ。全然剥がれないからメッチャ良いです。

--------って事はやっぱり効果抜群なんですね
牧原:いや、変わらないですよ。なんか良いじゃないですか、メジャーリーガーみたいで。

--------なるほど...。

おぉ、なんということだ。本当におまじないなのか。
でもこのアイブラックというおまじないの効果もあってか、ホークスは4年連続で日本一に輝いている。事実、アイブラックの塗り方で選手同士のイジり合いも生まれ、最初の頃は川島慶三選手が他の選手のアイブラックを垂れ目にメイクしたり太めに描いたりで話題になっていた。それがベンチの雰囲気を明るくしている要素であるのは間違いなさそうだ。

日本シリーズMVPで2020年シーズン大ブレイクを果たしたプロ6年目の栗原陵矢選手はメジャーリーガーのタティスJr.選手に憧れて、ヒットを打った後に手のひらでチョップのようなパフォーマンスをみせる。アイブラックの角度もタティスJr.のそれのようにやや斜めに描いているようにも見える。野球少年の憧れがホークスの選手であるように、ホークス選手もまた、憧れを抱き続けていると言うのが分かるアイブラック事情なのだ。

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この記事を書いたひと

加藤淳也(カト淳)

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ラジオパーソナリティー&リポーター&時々テレビ(笑)出演し、麺と音楽と野球と映画を探求するのが趣味の中年期おじさん。子供の頃から番組を編集したり文字におこして分析しながら観ていた変わり者。