PageTopButton

樹の声をきく~若き盆栽作家の挑戦~

玉名郡長洲町にある盆栽園「樹心園(きごころえん)」は園主の徳永功さん(41)が13年前に立ち上げた盆栽園だ。
「盆栽作家」としての作品はもちろん、手入れのためにお得意さんから預かったものなどおよそ1000鉢を世話している。
「生きたアート」と言われる盆栽はとにかく繊細。
目指す樹形にするために、枝葉を曲げたり切ったりするのだが、毎日の小さな変化に目を凝らし、手を入れる場所を決めなければならない。
そのため数年、数十年かかるものもざらにあるという。

素人だった徳永さんが盆栽の世界に飛びこんだきっかけは『偶然』だった。
仕事での人間関係に疲れ、生きる意味を見出せないまま訪れたミャンマーで日本文化としての盆栽に出会ったのだ。
盆栽が放つ生命力に衝撃を受け、自らの生きる意味を考え直したと言う。
21歳で日本に帰り、無謀だと言われながらも愛知県の名門「大樹園」で6年間の修行を終えた徳永さん。地元熊本で独立し、愛好家の信頼を徐々に得てやっと生計を立てられるまでになった。
盆栽の魅力を広い世代に伝えたいと毎月開く盆栽教室には、小学生から80代まで約30人の生徒が通っている。また、若い人に向けてアート要素が強い盆栽を制作し、カフェでの販売も始めた。
盆栽に魅せられた徳永さんの日々を追う。
 

(制作:RKK熊本放送/松下 菜美)

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう