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財津和夫、ゴッホでもなくモネでもなくピカソでもなくマティスを選んだ理由を告白する

TULIP・財津和夫が、ときには自分の作った曲のエピソードを話す『グランドメゾン プレゼンツ 財津和夫 虹の向こう側』。今回は、詞の中で有名な画家の名前が出てくる理由を正直に語ります。

ギャグも飲み込む暗黒物質ダークマター

ご主人が亡くなってから不思議な事が起こるようになったというリスナーからの、スピリチュアルな事を信じますか? との質問に、ふたりがそれぞれ答える。
財津:「前にも話しましたけど、そういう(不思議な)体験は何度かあるんです。チャップリンの魂のようなものを見たとか(※今年4月16日放送)、その他にも偶然だけでは済まされないような不思議な体験をしました」
武田アナ:「あまり体験はないんですけど・・・小さい頃に、ドアの後ろとかに叔父さんが見えていた、と言うのを最近思い出して・・・『いるよ』って、私が言った時に祖母がギョッとしたのを、最近になって思い出して。そういえば(同じような事が)何回かあったなぁ、と」
財津:「不思議なことはたくさんあると思います、科学で証明したとか証明できないとか言いますけど、科学で証明されたことなんかほんのちょっとしかありませんし、僕らの周りでも何がどこで起きているかわかりません」と、それからダークマターの存在に関する話をしようとしたのだが、肝心なところでブラックマターと言い間違えてしまう。
トドメは、ダークマターを全く知らない武田アナに「え、それなんですか」と尋ねられ「またー、そんなことを僕に聞く」とおやじギャグで即答したのだが、武田アナがそれには全く気が付かずにスルー。結局、ダークマター話も財津のギャグも暗黒に飲み込まれてしまいました?

芸術は日常から生まれてまた日常へ戻ってゆくもの

財津が作詞した「ふたりがつくった風景」の中にある♪君が愛した壁にかかるマチス(マティス)を・・・♪ のフレーズで、具体的にイメージした作品は何ですか? というリスナーからの質問が届いた。(ちなみに、このフレーズが動機となって、東京都美術館で8月20日まで開催中のマティス展を鑑賞してきた、とのメッセージ内のご質問です。)
・・・実は残念ながら、財津が具体的にイメージした絵画は無く、詞の中に壁にかかった絵の情景が欲しかったという事で、「何でも良かったんだモーン」とおどけた返事をする財津。有名な画家の中で、ゴッホでもなくモネでもなくピカソでもなくマティスにした理由を武田アナに尋ねられると、「(語感が)メロディーにピッタリきたから」と即答しつつ、「でも、マティスは好きですよ。詳しくないのに歌詞にマティスを使ってすみません」
真実を語る番組だからこそ聞けた話と考えるか、いや作詞ってそういう方法も無論ありだ、と考えるか。判断はリスナーにお任せしますが、以降少しだけ芸術に対する財津の考察をお聞きください。
「バルセロナに行った時、(美術館の)屋上で石製の黒いベンチのようなものがあって。つるんとした、そら豆のような丸みを帯びた形で・・・(以前の)マティス展の時に、画集の表紙にも使われた事があるのですが」
「で、屋上に出た時、『それだ!』と思って座ったんですよ。後で(改めて)感動した事は、日本の展覧会で代表作と言われるような作品が、誰でも座っていいようにしてある。単なる芸術作品を作っているんじゃなく、マティスが椅子という機能を造ってこの形になったのだ、と言うのが伝わってくる。芸術は作品だから日常とかけ離れているのではなくて、日常から生まれてまた日常へ戻ってゆくものなんだ、と思いました」
今日の一曲は、今回の話題の礎となったTULIP「ふたりがつくった風景」。1981年(昭和56年)に発売されたシングル(メジャー通算20枚目)。財津の高音域のボーカルが冴える作品のひとつ。

次回8月20日の放送は、通常通り18時15分(午後6時15分)からの予定ですが、野球中継が延びた場合は放送時間が変わる(繰り下がる)場合があります。
次回は、「言葉の引き出し」ついてお話しする予定です。

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