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免許要らずの“シニアカー”高齢者には便利 利用者増の陰には重大事故も…

ニュース交通

三浦良介

高齢者の外出を手助けするシニアカー。最近では「近距離モビリティ」とも呼ばれ、免許なしで乗ることができます。高齢者の運転免許証の返納が進む中、需要が高まっていますが、その一方で事故に巻き込まれるケースも急増しています。

「自動車以外の選択肢として」

福岡市博多区のトヨタカローラ博多で9月から取り扱いを始めた近距離モビリティ「WHILL」。最高時速は6キロで、1回の充電で約33キロまで走ることができます。

RKB三浦良介「操作は手元のレバーで行い、動きも滑らかです。5センチ程度の段差であれば簡単に乗り上げることができます」
 

免許証やヘルメットは不要

道路交通法上は「歩行者」の扱いとなるため、運転免許証やヘルメットは不要ですが、車道を走ることはできません。価格は25~50万円ほどで、折りたたみができるものや、運転しやすいようにハンドルがついたスクータータイプもあります。最新のものはアプリと連動して位置情報を家族と共有することもでき、万が一転倒した場合には連絡が届きます。

トヨタカローラ博多 久恒光基取締役「免許を返納される方がどんどん増えてくると思いますので、自動車以外の選択肢としてWHILLを提供させていただき、心と身体の健康を維持していただければ」

「誤った操作での事故が多発」

福岡県警によりますと、県内で2022年に運転免許証を返納した65歳以上の高齢者は約1万5600人にのぼります。免許返納後の高齢者の移動手段としてシニアカーの需要は高まっていますが、事故につながる危険性もあります。

製品評価技術基盤機構(NITE)が8月に公開した実験映像では、シニアカーでクラッチを切った状態で坂道を下ると、加速してブレーキが効かなくなり、大変危険です。また、踏切を渡る時には溝に車輪がはまってしまったり、脱輪して転倒したりすることもあります。

製品評価技術基盤機構 岡田大樹さん「誤った操作での事故が多く起きておりますので、広く安全な場所でまず練習を行って、電動車いすの操作や速度に十分に慣れていただきたい。走行しようとしている道路の状況、踏切とか、落ちてしまいそうな側溝、急な坂道がないかを確認して、事故を減らしていただければ」
 

警察「シニアカーは歩道を走行して」

シニアカーを含む電動車いすの事故は2023年、7月時点ですでに8件起きていて、過去10年で最も早いペースとなっています(内訳は死亡6件、重傷1件、破損1件)。

自力で起き上がることが難しいため、転倒すれば重大な事故につながる可能性があります。福岡県内でも過去に車と接触して死亡する事故が起きているほか、シニアカーが車道を逆走する目撃情報もありました。警察は、シニアカーについて、歩行者や自転車に気を付けて歩道を通行するよう呼びかけています。
 

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この記事を書いたひと

三浦良介

1999年入社、テレビ営業部、大阪支社勤務を経て2011年から情報番組のディレクターを務める。2016年から報道記者として政治・経済を中心に取材奮闘中。