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“子どもに「スマホ」を持たせる際に決めたルールベスト3”は?【子どものスマホ事情】

年々進むスマホデビューの低年齢化。「親が子どもに初めてスマホを持たせた時期」を尋ねた調査によると、2019年は「中学生」までで78%以上を占めていたのが、2022年の最新データでは85%を超える結果に。また「小学生」からと答えた人は51.6%と半数以上に上りました。今回はそんな「子どものスマホ事情」について考えていきます。
「スマホ」は“コロナ禍で直接会えない友達と繋がっていられる”など良い面もありますが、子供たちの間では様々なトラブルを生んでいることも。帰り道に使っているところを近所の人に目撃されて学校に通報されたり、昼休みに使っていることが見つかって没収されたり、授業中にInstagramでライブを行っているのが見つかって反省文を書かされたり…。

街頭インタビューでは「位置情報を知ることができるので常に持っておいてもらった方が安心」「周りが持っていて予定を1年早めて持たせ始めた」という一方で「高校生までは持たせたくない」という意見も。SNSを使ったイジメや盗撮、悪意のある大人と出会うきっかけとなるなど不安な声が見られました。高校生くらいまでは持たせたくない親に対して、子どもは中学生前後には欲しくなるというのが現状のようです。

福岡県内公立中学校は原則として持ち込みを禁止しています。しかし、「何時に帰ってくるのか」「どの道を通って帰っているのか」ということが分からないのは困るという意見も。安全確認をするため、スマホと連携してお知らせが届く「GPS」を持たせるという親が増えているそうです。
親を悩ませる困った話も多くあるようで、多くの家庭では“スマホの使い方”について様々なルールを設けているようです。
例えば、中学生の娘と高校生の息子を持つお母さんは「自分に画面を見せられなくなったら契約を切る」という約束と「アプリに時間制限をかける」ことで管理しているそうです。他にも「家族といる時・食事の時はスマホを触らない」、「使用はリビングのみ」、「21時以降はLINEの返信禁止」などのルールを設けている家庭も。

“子どもに「スマホ」を持たせる際に決めたルールベスト3”は
小中学生では
①利用時間に関するルール
②アプリ内課金やアプリのダウンロードに関するルール
③使用できるアプリや閲覧できるサイトに関するルール
となっているようです。

一方、高校生になると
①アプリ内課金やダウンロードに関するルール
②LINEやSNSなどに載せる顔写真や個人情報に関するルール
③ギガ追加購入の禁止などギガ数に関するルール
と小中学生とは異なるルールを決めているという調査結果が出ています。

東明学園後援会長の北島正晴さんは「中学生が携帯を自由に使えるというのは便利だけど半分賛成、半分反対だ」と言います。ただし「高校生になるとだんだん大人に近づいていて道徳観もあるのできちんと説明すれば分かるはずだし、学校の授業で“友達にメッセージを送る時にはこういう気遣いしなさい”とか“そこで悪口を言わない”などのルールを教えていってもいいのではないかと考える。もっといいレベルの携帯電話の使い方をひょっとしたら東明館学園が発明しているかもしれない」とも話して下さいました。

その東明館学園校長で、番組コメンテーターでもある神野元基さんは「スマホの問題は賛否両論あるけれど、スマホの使い方に関する一番の問題は“犯罪に使われる・巻き込まれる”可能性があることだ。そこを軸に考えていきたい」と言います。
「学校のスマホ問題」に一石を投じる福岡の県立高校があります。

粕屋郡須恵町旅石にある福岡県立須恵高校では、授業中に「スマホ」を“学習ツール”として積極的に活用しています。2年前の新型コロナで緊急事態宣言が出た際、学校内にWi-Fiを導入し、教育用のアプリケーションやプラットフォームを用いて積極的にICTを活用しようということで取り組みがスタートしました。

黒板には「スマホ・イヤホン持参で」と書いてあり、先生が作った動画を授業中に自分のスマホで視聴。スマホを持っていない学生にはタブレットを貸出しています。学生からは「勉強が分かりやすくなっている」「写真などが出てきたら分かりやすい」「使い慣れているスマホで調べた方が分かりやすい」と大好評。先生も手応えを感じており「スマホを使いながら生徒の興味関心をうまく引き出していきたい」ということです。

また授業時間外も「スマホ」は自主管理ですが、学校に関係ないことに使う生徒はほとんどいないそう。「スマホ」を禁止にした時に“反発”や“隠れて使いたい気持ち”が大きくなるという中、福岡県立須恵高校では「スマホ」を“文具”として、学習のために有効に使う取り組みを行っていました。

このように新型コロナの影響もあり、これから当たり前になってくるかもしれない「スマホ」を用いた授業。
大切なことは、子ども達が「スマホ」を自由に使えるようになった時に“正しく”使えること。ルールを決めたり取り上げたりするというよりも「やってはいけないこと」や「危険性」を伝えた後に「どのように使っていくか」を話すことが重要なのです。これからは「子どもが自立してスマホを使える」といった在り方を作っていかなければならないのかもしれません。
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