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幻を伝える よみがえった臼杵焼

200年の時を超えて、現代によみがえった幻の焼き物「臼杵焼(うすきやき)」。消えた焼き物文化を再び定着させるようと、ひたむきに活動する陶芸家の思いに迫る。
江戸時代後期、現在の大分県臼杵市内を治めていた稲葉藩が立ち上げた臼杵焼。藩主の号令のもと、華やかで格調の高い白磁器を主に生産していたが、士族の商法では赤字を免れず衰退した結果、わずか十数年間で閉窯。現存する器も限られる「幻の焼き物」となった。しかし今、失われた焼き物文化を取り戻すべく、地元臼杵市で「現代版・臼杵焼」として復活させる取り組みが始まっている。
大分県内有数の観光スポット「国宝・臼杵石仏(大分県臼杵市)」。ここで飲食店を営む宇佐美裕之さん(40)は、料理人として働く一方でもう一つの顔を持っている。大学時代に学んだ技術を活かした「陶芸家」としての活動だ。
臼杵に帰郷した際、地元に焼き物文化があることを知った宇佐美さん。陶芸家の仲間と「臼杵焼プロジェクト」という団体を立ち上げブランド化に向け活動を始めた。全国屈指の漁場・豊後水道があり産物に恵まれた臼杵市。豊かな食文化とともに、焼き物文化に新たな息を吹き込んでゆく。
(制作:OBS大分放送 / ディレクター:井本 信也)

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