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楽市楽座の「ワイドレジャー」アミューズメント業界の福岡の雄は“人の心を動かす”!


ご存じ「楽市楽座」「楽市街道」を運営するのは、地元・福岡県小郡市発祥の「ワイドレジャー」という会社だ。現在全国に88店舗を展開し、年間売り上げは166億円!業界4位に飽くことなく革命を起こし続ける。
そんなアミューズメント業界における福岡の雄を追跡した!

世界最大!大興奮のクレーンゲーム!

今年春に「THE OUTLET」にオープンした「ASOBLE」。初日から多くのファミリー層が詰めかけ、館内は賑わっている。実は、この店舗を運営しているのは、福岡県・小郡市に本社を構えるワイドレジャー。「楽市楽座」「楽市街道」を運営するアミューズメントの会社。

そのワイドレジャーの得意技は、「クレーンゲーム」。ここ「ASOBLE」にはその最高峰といえる「メガクレーン番長」と呼ばれる巨大クレーンゲームが店舗中央に君臨していた。初日からそのインパクトに多くの人が群がり、行列必至のクレーンゲームとして一躍人気に。

300台近く設置されたクレーンゲームには独特の技が散りばめられていた。落ちそうで落ちない「楽市置き」はもちろん、親子で肩車をしてゲームを楽しむ「肩車クレーン」、猿島にクレーンゲームを置いてみたり、同時にクレーンゲームをプレイした人数のギネス記録を打ち立てたりと話題性に事欠かない。スローガンが「ときめきを想像せよ」というのも納得がいく。

ワイドレジャーのクレーンゲームは、景品へのこだわりも尋常ではない。景品会社にとって、商談は決して甘くはない。規格に合わないものは即座に却下、いいものは即答で採用。相手がどうであれ歯に衣着せぬ言い方でバイングをしていく。この妥協無しの景品選びもクレーンゲームの人気を支える原動力になっている。

一方で、いいものを探して、生産者や町工場に直接出向くこともあるバイヤーの熱意には頭が下がる。豊前市・よかろう社から仕入れる「地鶏飯の素」は仕入れ値が高い商品だが、これもお客の感動を引き出すためには致し方ないことだという。

幸せがお客さんに届くように…

ワイドレジャーはこれからも挑戦を繰り返しながら、我々を楽しませてくれそうだ。

ワイドレジャーグループの売り上げの7割を占めるのは、クレーンゲームなど景品を獲得することを目的とした“アーケードゲーム”。このゲームにこそ、生き残りをかけた仕掛けがある。

そこには巨大なクレーンゲームが…!なんと高さ4メートル30センチ、現時点では世界最大!その名も「メガクレーン番長」だ。1プレイ300円だが開店と同時にフル稼働、1日に500プレイを超えるモンスターマシーンに急成長した。平日でも順番待ちが止まらない…!周りにはギャラリーができ大盛り上がり、取れても取れなくても大興奮だ。

ゲームで“人の心を動かす”!


メガクレーン番長を作ったのが、ワイドレジャー一筋26年、マーケティング統括・川畑孝蔵さんだ。
「クレーンゲームの中でもメインとなるアイテムが1つ欲しいと。ただ大きいだけでもエンターテインメントになるという発想から、大きさだけでも世界一のクレーンゲームを作りたいと」
この単純明快なアイディアは大ヒットした。

ワイドレジャーは挑戦の歴史だ。時には「肩車クレーン」といって、親子で肩車をしながらゲームを楽しむイベントも。新しいゲームの開発ではなく、今あるゲームを生かした新しい遊び方も提案しているという。
他にも、ギネス世界記録に挑戦するなど“人の心を動かす取り組み”こそが、ワイドレジャーが目指す道だ。

“屋上遊園地”から“ゲーセン”そして“アミューズメント施設”へ

ワイドレジャーの始まりは、意外にも「ダイエー久留米店」の“屋上遊園地”。しかし順風満帆とはいかず、屋内への出店に切り替え軌道に乗った。
1970年代後半になると“ゲームセンター=不良のたまり場”といったマイナスイメージが定着してしまった。そこでワイドレジャーは、ダークなイメージから“ファミリー層向け”へと大きく方向転換。全国に先駆け、郊外型の大型店舗やショッピングモールに出店攻勢をかけた。
さらに業界でいち早くシフトチェンジしたのが“クレーンゲームの増大”。提供する景品の内容、つまりお客さんがどのようなものを求めているのかを最重要コンテンツとしたのだ。いかに他の業者より早く仕入れ、早く提供できるかが勝負になってくるという。

“人の心を動かす”チャレンジ企業


景品全般の仕入れ統括を担う澤島尚さん。商談の場では全くオブラートに包まない物言いだが、良い景品であれば即決、話が早い。
「幸せが全てお客さんにいく。安くウチが仕入れられたらお客さんに還元できる」と、仕入れ値にはとことんこだわる。
福岡県豊前市にある仕入れ業者「よかろう」。楽市楽座で展開する名物クレーン「物産展コーナー」で不動の人気を誇るのが、ここ「よかろう」の「地鶏飯の素」だ。高級食材を使い、仕入れ値の高い景品の1つでもある。
それでも澤島さんが採用したのは、2016年の熊本地震で自社の店舗が被害を受けた際、鶏めしを差し入れたところ皆が喜んでくれたことがきっかけだったという。まだ世に出ていなかった福岡の“地元めし”を掘り起こした。
「小さいお店でも直接訪問してお話を聞いて取引を行う。それを弊社ではずっと続けている」と澤島さん。景品選びに妥協はない。

常識にとらわれない発想や行動でこそ、人の心は動く!

(文:軽部 明香里)

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