PageTopButton

定期購入・サブスク利用でのトラブルが急増!その実態と被害に遭わないための5つのポイントを解説

今、注目されているのが定額料金を支払うことで利用期間中使い放題になるサービス「サブスクリプション」、通称「サブスク」です。
動画や音楽の配信だけでなく、最近では服や化粧品、サプリメントなど様々な定期購入やサブスクが登場し、幅広い世代の利用者が増えています。

それに伴い国民生活センターがまとめた定期購入やサブスクに関する相談件数は増え、2015年で約5000件だったものが、2020年には55000件を超え約11倍になっています。
また昨年度からサブスクのみの相談件数の集計が始まり、昨年度は7417件もの相談が寄せられました。さらに福岡市消費生活センターでも話を聞くと、福岡市での相談件数は昨年度121件で、昨年度と今年度の4・5月を比較したところ3割増加しているそうです。
サブスクを利用する際の悩みを街で聞いてみると、解約のしかたが分かりにくいという声や、解約したいときにアプリからではなくネットからしか解約を対応しておらず面倒だったとの声がありました。
さらに実際にレンタルサービスアプリのサブスクを利用してトラブルにあったAさんは、解約ボタンがどこにあるか複雑で分からずカスタマーセンターに連絡して解約しようとしましたが、電話が繋がらないために解約できなかったといいます。結局4年ほど契約したままで、合計約10万円ものお金を支払っていました。

他にも定期購入やサブスクのトラブルとして、解約ボタンを押すと英語のサイトにとんでしまい訳が分からなくなったり、いつでも解約可能と表示されていたのに実は解約に条件があったり、登録したメールアドレスやパスワードが分からなくなってしまうということが挙げられます。

ここで注意しなければならないのが「定期購入やサブスクでは商品やサービスを契約した後、一定期間内であれば理由を問わずにキャンセルができるクーリングオフ制度は利用できない」ということです。理由としては「クーリングオフ制度」は販売業者側が約束なしで営業する訪問販売や電話勧誘販売に限られるためで、サブスクや定期購入の場合には通信販売が多く、この場合利用者がじっくりと考えて契約ができるということから適用できないというわけなのです。
こうした問題に対応すべく今年の6月1日に新たなルールが導入されました。定期購入やサブスクで訪問販売や通信販売など業者と消費者の間に生じやすいトラブルの被害を防止する制度である特定商取引法が改正され、6月1日から施行されました。この改正で解約手続きに必要な情報提供を事業者に義務として課すことが決まりました。

ではどんなことが変わったのか、消費者問題に詳しい黒木・内田法律事務所の久間弁護士に話を聞くと「もともと申し出時に義務とされていなかったものが新しく義務化された」とのこと。例えば、契約の内容や購入する回数や分量などを細かく表記しなければなりません。

ある悪い申し込み例では、初回トライアルコースと画面に表示されているためトライアル(お試し)だから正式な申し込みだとは思わず、1回かぎりのお試しという風にしか見えません。
しかし文章を下まで読んでいくと6ヶ月の定期購入を条件に最初の1ヶ月が割引となると書かれていたのです。

これは今回の改正の情報を基にすると、トライアルと強調しているのに実際は定期購入条件になっていることがNGだとのこと。
また契約条件が小さく書かれているものや、解約方法や条件、連絡先が書かれていないもの、申し込みボタンが分かりにくいものもNG。何回の契約か、1回目の契約は安くても2回目の契約からはいくらになるのか、申し込みボタンも分かりやすく明確に表記しなければなりません。
また久間さんは「今後は消費者も吟味する能力が必要になる」と話します。
今回の取材を通して浮き上がってきた消費者が気をつけなければならないポイントとして5つまとめました。
1つ目は「無料のキャンペーンだと思って申し込んだら実は契約していたという場合を防ぐために契約時の料金体系を把握すること」。
2つ目は「解約の手段やタイミング、違約金はあるのかなど解約条件を把握すること」。
3つ目は「解約の手間にならないようにIDとパスワードの管理を徹底すること」。
4つ目は「アプリの削除は契約の解除ではないということ」。アプリを消去してもクレジットカードから決済が続いている場合もあるので要注意です。
そして5つ目が「支払明細をチェックすること」。解約したと思っていても解約できていなかったということもあるため確認が必要です。

定期購入・サブスク自体はとても良いものなので、消費者側も気をつけてトラブルに巻き込まれないように使用していき、不安なことがある方やトラブルが発生してしまった方は消費者ホットライン188までお問い合わせください。
〇福岡市消費生活センター
福岡県福岡市中央区舞鶴  (092)781-0999
〇弁護士法人 黒木・内田法律事務所
福岡県福岡市中央区今泉 (092)752-7878
〇消費者ホットライン 188
※こちらの番号に電話をかけると近くの消費生活センターに繋がります

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう