福岡の焼き鳥店なぜキャベツが出る？

焼き鳥好きが集まる街・福岡。福岡県は人口10万人あたりの焼き鳥店の数がなんと全国第1位なんです。
そんな福岡の焼き鳥店では当たり前に出てくるキャベツ。今回は「なぜ焼き鳥と一緒にキャベツが出てくるのか？」というテーマで調査していきます。

焼き鳥の始まりは今から約900年前の平安時代後期。摂関家の儀式饗宴を記した献立の中に見られる“鳥焼物”というメニューが焼き鳥の原型だと言われています。当時は山鳥やヒバリ・キジ・シギなどを串焼きで調理し、貴族たちが食べていたのだそう。

今では庶民の味として広く愛されている焼き鳥。
福岡市情報サイト『Fukuoka Facts』によると、福岡県民の鶏肉への支出金額は1年間で21,151円と“鶏肉への支出金額ランキング”で全国52都市中、福岡は第1位！焼き鳥店の数は福岡市内で500軒を超え、これも全国21の大都市の中で第1位なんです。

「焼き鳥はどの部位が好きか？」福岡県民・福岡在住の384人に街頭インタビューで調査したところ

1. 豚バラ…201人
2. とり皮…106人
3. もも肉…34人
4. せせり…10人
5. レバー…8人
6. その他

（※福岡県民・福岡在住384人に聞き込み調査　番組調べ）
という結果に。

また「焼き鳥は串のまま？串から外すか？」というアンケートでは

1. 串のまま食べる…236人
2. 串から外して食べる…99人
3. どちらもある…49人

（※福岡県民・福岡在住384人に聞き込み調査　番組調べ）
という結果になりました。

また「焼き鳥にキャベツは福岡の食文化だと知っていた」というアンケートに「知っていた」と答えた人が157人、「知らなかった」と答えた人が227人という結果に…。意外にも「焼き鳥にキャベツ」が福岡の食文化だと知らなかった人が多かったようです。

そんな福岡ではなぜ焼き鳥と一緒にキャベツが出てくるのか？まずは福岡県民の意見を街頭インタビューで調査すると

1. お口なおし（さっぱりさせたい）…256人
2. 胃に優しいから（焼き鳥が脂っぽい）…52人
3. 付け合わせ…23人
4. 分からない…41人

（※福岡県民・福岡在住384人に聞き込み調査　番組調べ）
という結果に。「“肉だけではなく野菜も”という店側の好意」「味変・口なおし」「箸休め・合間に食べられる」「お通しのような感じ」「他の具材との相性がいい」「かさ増し」など様々な意見が出てきました。

いつからキャベツを出すようになったのか？真相を知るため、福岡で初めてキャベツを出し始めたお店「天下の焼鳥 信秀本店」を訪ね、会長の安岡英雄さんに話を聞きました。

キャベツを出し始めたのは58年前。「サラリーマンを辞め、人生は1回しかないから何かやろうと思って屋台を先に購入して、各地を食べて回って勉強した」と安岡さん。大阪の鉄板焼き店で料理が出てくるのを待つ間に、お客さんがカウンターの奥にあったキャベツにソースをかけて食べていたことからヒントを得て、焼き鳥にもキャベツを…とひらめいたのだそう。キャベツにソースを付けて焼き鳥と食べてみると、ソースは味が濃く食べられなかったため、あっさりしたポン酢ダレを開発。今や全国に知れ渡る福岡の焼き鳥文化になりました。

「天下の焼鳥 信秀本店」のキャベツはシャキシャキ感を出すため、氷水の中に3～4時間つけてから提供しています。

キャベツの他にも東京と福岡の焼き鳥文化の違いを中村調理製菓専門学校の校長・中村哲さんにインタビュー。「東京の焼き鳥店はほとんど鶏肉のみを使用。一方で福岡博多の焼き鳥店の真髄はバラエティーと楽しさにある。様々なネタが出てきて、皆でワイワイ楽しくお酒を飲む文化が福岡にはある」と中村さんは話します。

街頭インタビューでも「焼き鳥の魅力は様々な種類・部位と多様な味付けで、牛・豚・鶏を全部食べたい人にとって嬉しい」「福岡に来て初めて豚バラを食べた時“これは美味しい”と感激した」「初デートで焼き鳥はあり。雰囲気があり過ぎる店は緊張してしまうため、賑やかな焼き鳥店は盛り上がりそうだし、気取らない感じがいい」といった声がありました。

“福岡の焼き鳥もさらに進化している”として、訪れたのは「博多野菜巻串屋 鳴門本店」。福岡の老舗焼肉店で知られる慶州がプロデュースしたお店なんです。農家から直接買い付けた九州の新鮮な野菜を炭火で焼き上げたヘルシーな焼き鳥を提供しています。

メニューは一般的な焼き鳥や豚バラ以外に、野菜巻き15種類以上、変わり種8種類程度が常時提供されており、様々なメニューから選んで食べることができます。
「パクチー巻き串」はチリソースを付けて食べる新感覚の焼き鳥。そのまま食べてもソースを付けて食べても美味しい一品。

「苺巻き串」はイチゴ×豚バラという組み合わせで、練乳をかけていただきます。イチゴと豚バラが意外にもマッチしていて、デザートとして楽しめるんだそう。
キャベツとともに多様な種類の焼き鳥が楽しめる福岡の焼き鳥文化には、楽しみながら様々な物を食べたいという福岡県民の思いがつまっていました。

• 辛子レンコン巻き串　290円
• レタス巻き串　320円
• パクチー巻き串　330円
• 苺巻き串　280円