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4月以降ワクチン接種毎年1回へ“感染”“重症化”防ぐ効果保てる?

2023年5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが2類から5類に引き下げになります。これに伴い「4月以降のワクチン接種は毎年秋から冬にかけて原則1回(重症化リスクの高い高齢者は前倒し追加接種の可能性有り)」とワクチン接種のあり方も変わっていきます。

ワクチン接種が始まったのは2021年2月。

現在のワクチン接種率は
となっていて、3回目までは半数以上がワクチン接種を終えているという状況です。

「年に1回の接種になるが重症化を防ぐことができるのか?」「感染の拡大は防げるのか?」長崎大学大学病院の森内浩幸教授にお話を伺いました。

森内教授によると「ワクチンを打ち始めた当初は発症を防ぐ効果が95%、感染そのものを防ぐ効果も8~9割とワクチンの効果は絶大。当初は多くの人がワクチンを接種することで流行自体を抑えることができる力を持っていたそう。しかし今のワクチンは社会の中での流行を食い止めることを期待するものではなく、あくまでも重症化リスクのある人が重症になるのを防ぐもの。ウイルスの変異とともにワクチンの効果は薄れており、現在またはこれから流行るかもしれないウイルスに関しては感染を防ぐ効果はほとんど期待できない」と言います。

また森内教授は「個人的には若くて健康な人は打つにしても年に1回打てば充分だと思うが、高齢者や基礎疾患を持っている人は来年の冬が来るまで効果が保てるという期待はしていない。そのためリスクの高い高齢者や基礎疾患を持っている人は流行の兆しが見えた時や変異株が現れた時に追加接種が呼びかけられることになるのではないか」と話します。

これまで福岡県では既に156万人の方が感染していて、重症を防ぐ免疫が身についてきていると考えられています。しかし何度もワクチンを打ったり感染したりしてきて免疫を獲得しているインフルエンザに比べると「新型コロナウイルス」はまだインフルエンザほどしっかりとした集団免疫ができていないそう。5類になるからといってインフルエンザと同じ感覚になるのはまだまだ先のようです。

私たちが新型コロナウイルスに感染したりワクチンを接種したりして、少しずつ免疫の上乗せができ、これまでのワクチンの免疫で重症化を防げそうだと分かったら、例えウイルスが変異を繰り返したり次の流行の波が来たりしたとしても、年に1回のワクチン接種だけでよくなるかもしれないとのことです。

5月8日から5類になりますが、ウイルス自体の感染力が弱まるということではありません。各家庭でワクチン接種などについては相談して、新型コロナウイルスと付き合っていきましょう。

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