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桐開く道はギターに通ず

ビジネス
若き天才ギタリスト井上銘が桐ギターを弾く。その音色は?製作したのは福岡県大木町の(株)総桐箪笥 和光の三代目、加島功一社長(39)だ。桐は木製家具として使える世界一軽い材料で「奇跡の素材」と言われる。軽いが強く、狂いも少ないので加工しやすい。なにより木目が優雅で美しい上に、少々の傷からの復元力もある。

しかも桐たんすは湿度を約50%に保ち着物に優しい。わずかな欠点は、伝統的な塗装として、粘板岩の微細な粉である「砥の粉」(トノコ)を塗料として水に溶かして表面仕上げに塗るのだが、美しい反面、手垢が付きやすくカビが出ることがある。「なんとか出来んもんか」という客の言葉に、和光は、変色を抑え手垢などがつきにくく、優雅さも損なうこととのない画期的塗装方法を編み出し2001年に「表面特殊加工」で、実用新案登録を取得した。さらにその塗装技術を応用して加島さんはプロの使用に耐える桐ギター製作を進めてきた。

今回、世界トップクラスのギタリスト井上銘が試奏することになった。その評価はいかに?着物の需要減とともに伝統的な桐たんすには厳しい状況が続く。くじけず桐の世界に革新をもたらそうとする三代目の挑戦を描く。
■取材先
会社名:株式会社 総桐箪笥和光
担当者:加島功一 社長
住所:〒830-0424 福岡県三潴郡大木町三八松1048
電話:0944-33-1421

取材後記

福岡県大木町の総桐箪笥 和光の三代目社長 加島功一さん(39)は20代の頃はビジュアル系のロックバンドでプロを目指していました。それが結果的に家業の桐でギターを作るという挑戦につながるわけですが、本当に美しいボディーでした。

私も大学時代などバンカラぶって桐の下駄を履いていた思い出がありますが、なじみがあるようで最近はあまり接する機会がないものでした。改めて奇跡の素材と言われる桐を再認識したと同時に加島さんと同じく多くの人にその魅力を知っていただけたらいいなと思いました、天才ギタリストの井上銘さんも持っていないかのように軽いギターに驚きつつ、実に楽しそうにRKBのスタジオで演奏してくれました。

大木町のふるさと納税返礼品になる可能性も高いとのことで今年中の発売が楽しみでした。

担当:RKB毎日放送 山田尚

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