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市庁舎は83歳 ~登録文化財の行方~

2019年第24回
制作:RKB毎日放送
ディレクター:鑪 加奈

1936年に建てられた福岡県大牟田市の庁舎本館。塔屋を中心に左右対照にそびえ立つ造りが特徴で、屋上には防空監視哨などの戦争遺跡も残る。
建造物としての美しさと歴史的価値が評価され、2005年、国の登録有形文化財となった。しかし、登録からわずか14年、市は「老朽化」を理由に庁舎の解体方針を決めた。増築を繰り返した庁舎内では迷子になる市民が出るなど、使い勝手の悪さも問題になっていた。専門家や市民の間では、保存を求める声が根強いものの、市は、「保存には維持管理費がかかる。厳しい財政状況の中では難しい」と繰り返してきた。解体か、保存か。実は今、多くの地方都市が同様の問題に直面している。イコモス日本委員会は、今年8月、文化庁に要望書を提出し、財政上の理由から文化的価値ある近代建築の解体が相次いでいる現状に警鐘をならした。建築から半世紀以上が経過した近代の名建築は、このまま消えてしまうのだろうか。

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