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パルコ de 美術館 ~ 松本市

暮らし
松本市美術館は、施設改修工事のため来春まで休館中。「それでは草間彌生作品が見られないではないか!?」というあなた。安心してください。2作品だけですけど松本PARCO6階で、2月末まで開催中の「パルコ de 美術館」で見られます。

「パルコ de 美術館」は、松本市美術館がプロデュース。
松本市や長野県にゆかりのある作家、のべ12人の作品を、8か月間を4期に分けて展示します。「ほとんどが現存作家で、30代~40代が中心。松本でやる意味のある、これから活躍してほしい、応援すべき作家さんを選んでいます」と、松本市美術館・学芸員の渋田見彰さん。
全会期通して展示されるのは3作家。まず松本市出身の前衛美術家・草間彌生(最初の写真=黄色のかぼちゃ)。
そして松本市在住の彫刻家・大曽根俊輔。乾漆技法で作る動物のオブジェがずらり。麻布に漆を塗って、それを何枚も重ねて作っていくんだそうですよ。
もう一人が松本市出身の木彫家・飯沼英樹。ファッション誌からインスピレーションを受けて、現代を生きる女性を作り上げます。案内してくださった学芸員の渋田見さんがおっしゃった「ファッションで武装した女性の姿を作っている」という解説にうなりました。

会場内の作品は一部を除いて写真撮影OKです(作品に影響するフラッシュを使っての撮影と動画の撮影はできませんが)。しかも、ワンコイン=500円で鑑賞できるんです。この展示会のために用意されたミュージアムショップと、屋上にある“光を楽しむ”作品(千田泰広作)の入場は無料です。
パルコでやるからこそ、という工夫は展示へのアプローチにもあって…。展示会場の壁には窓があって、外通路から中がのぞけるんです。この窓は、松本城などお城の鉄砲狭間のように、枠の向こうにあるものがよく見えるよう壁の厚みにあたる部分に角度がつけられています。この窓、中から外を見るより外から中を見る方がよくモノが見えるのですよ。

こちらの窓…飯沼さんの作品が窓の外に向かって視線を向けているように展示をしてあるんです。外からのぞきこみたくなること間違いなし。そして通りかかった買い物のお客さんもふらっと入りたくなるわけです。

実は、現存作家さんの展示というのは、松本市美術館でやろうと考えるとなかなかハードルが高いそう。誰をあつかうのか、とか、展示室の広いスペースをどう構成するのかなど。だから今回の「パルコ de 美術館」は『チャレンジするいいきっかけ』だったと渋田見さん。どう展示するかも作家本人と話しながら決めていくそうなので、より作家さんの世界を満喫できますよね。

「パルコ de 美術館」は「松本まちなかアートプロジェクト2021」のひとつとして開催されていて、まちなか=商店街の参加店舗にチケットの半券を持って行くと割引などのサービスが受けられたり、お店で所有している美術品を公開してくれてたりという大きなアートのまち歩きが楽しめる仕掛けになっています。

パルコでの展示について、「“美術のチカラ”というものを知っていただける機会になれば」とおっしゃる渋田見さん。この展示のタイトルは『つながる箱 いま、ひらく、アートのチカラ』。美術館というハコ(空間)とパルコというハコ(空間)のつながり、そして会場を拠点に「外=まちなか」につながること。作家ごとに区切られたスペース=ハコ同士もつながっていって、作家と鑑賞者もつながって…という流れを受け取れたら、タイトルが心にしみこんできます。
「過去から蓄積されてきた松本の文化を、美術館がその一部を次につなげる…その役割が一年間の休館の中で途切れないようにという意味でも、現在を次世代につなぐ事業になれば」とおっしゃる渋田見さんの言葉に、松本という町の文化への姿勢が感じられました~。 □ 松本まちなかアートプロジェクト → https://www.mm-art-project.com/ □ 新まつもと物語 → https://visitmatsumoto.com/ □ 長野県公式観光サイト → https://www.go-nagano.net/ □ 信州まつもと空港地元利用 → https://www.matsumoto-trip.com/airport-arrival/

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