PageTopButton

90歳スプリンター 世界記録に挑む!

70歳で本格的に陸上競技を始めた熊本県八代市在住の守田満(もりたみつ)(90)さん。これまで大会で獲得したメダルは200個以上。ほとんどが金メダル。5歳刻みでクラス分けされているマスターズ陸上で女子80歳~84歳クラス200メートル・女子85歳~89歳クラス100メートル・女子85歳~89歳クラス200メートル・女子90歳~94歳クラス200メートルの4つの世界記録を持っている。

5つ目の世界記録(女子90歳~94歳100メートル)を目指して出場した9月の大会では世界記録に届かず、満足できない走りに悔しい思いをしました。
守田さんは週3回、地域の陸上クラブで小中学生と一緒にトレーニングを行い、2時間の練習は子供たちと同じメニューをこなします。

元気の源は食事。朝から肉を食べ、生卵を飲むのが日課。昼食には週2回、大好物のウナギを食べてスタミナ維持、夕食もお肉中心の肉食系女子。家族も驚く食欲をみせます。

シーズンオフになると半年間レースがなく記録の維持が難しい。90歳を迎えた今シーズンに何とか世界記録を更新したい守田さん。残された大会はあと1回。舞台は国際ゴールドマスターズ京都大会。守田さんは今シーズンのラストランで世界記録を狙う。

取材後記

もし記録が悪かったら…ドキドキの取材でした。
というのも、番組ではそこまで強く協調はしなかったですが、守田さんのコンディションはかなり悪い状況で、タイムは24秒台も想定していました。
年齢が高くなると100Mのタイムが自己ベストから1秒以上ブレることも珍しくないそうです。ちょっとしたことで1秒タイムが縮まることもあるそうですので、そこを狙って直前は練習をしていました。

コーチからの情報では、直前練習でスタートはかなり改善されていたそうですが、体にかなり負荷をかけているので、伸るか反るかのレースだったようです。世界記録が目的だったので「コンディション無視の練習はしょうがなかった」とのコーチの後日談です。京都に同行した次女(本人の希望で番組に登場していません)は、宿舎でずっとマッサージをしていました。会場でも、女子トイレなどマスコミが撮影できない場所でマッサージをしていました。

しかし、複数のテレビ局が取材に来ていて世界記録を期待されていたので、守田さんは体調の悪さは表に出してはいませんでした。この点は、本人の明るいキャラクターもありますが…。レース後、本人はもちろんですが、ご家族、コーチなど、本当に安堵されていました。本当に前向きで元気なおばあちゃんです。

番組の内容についてですが、走りの具体性に欠くという指摘があるかもしれません。第3者による科学的分析なども選択肢としてはあったと思いますが、私はあまり必要性を感じませんでした。
本来の世界一の九州が始まる!の番組イメージとはベクトルが異なるかもしれませんが、視聴者が守田さんから元気をもらえればいいのかな…と思ってシーンを重ねています。
担当 RKK 熊本放送 テレビ制作部 薛 力夫

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう