PageTopButton

無人で変わる!?老舗旅館

熊本市の不動産会社「みらいコンシェルジュ」代表・山浦章太さん(36)は、空き家や空き施設など“使われなくなった不動産”を、新たな価値へと変えることに挑んでいる。


かつて湯治場として栄えた熊本県小国町の杖立温泉。最盛期にはおよそ40軒の旅館が軒を連ねていたが、高齢化や人手不足などの影響で、現在は13軒にまで減少した。温泉街の灯を絶やしたくない――。そんな思いから始まったのが、歴史ある旅館を新たな形で再生させる取り組みだ。


山浦さんは、後継者のいない老舗旅館を引き継ぎ、“無人運営による一棟貸し”を導入。予約や決済、チェックインをオンライン化し、一日一組限定の宿としてよみがえらせた。宿泊業の人手不足という課題に向き合う一方で、宿泊客が温泉街を歩き、飲食店や周辺施設を利用することで、まち全体のにぎわいづくりにもつなげている。


さらに、人口減少と高齢化が進む熊本市西区河内町では、空き地を活用した無人型民泊を核とするリゾート開発にも着手。海と温泉という地域資源を生かし、新たな人の流れを生み出そうとしている。
 

空き家や空き地を「負債」ではなく「資産」へ。観光地再生、そして地域再生に挑む山浦さんの取り組みを追った。

 

株式会社 みらいコンシェルジュ
住所:熊本市中央区本荘5丁目10-18
電話:096-284-5033
HP:https://mc-hd.jp/
代表者:山浦 章太さん

 

一棟貸しの無人旅館
「泊°TSUETATE(パーク杖立)」
住所:熊本県阿蘇郡小国町・杖立温泉
HP:https://park-stay.com/

取材後記

日本の温泉旅館は、この10年で大きく変化したといわれています。かつては1泊2食付きが当たり前でしたが、現在は宿泊と食事を切り離す「泊食分離」が急速に普及。背景には、宿泊業の深刻な人手不足があります。


そんな中、熊本・杖立温泉では、老舗旅館を存続させるため、無人運営の“一棟貸し温泉旅館”が誕生しました。3階建ての旅館を一棟丸ごと貸し切って1泊4万円(税別)から。客室は6部屋あり、最大20人まで泊まることができます。源泉かけ流しの温泉は、24時間入り放題。食事は地域の飲食店などで外食やテイクアウトを楽しんだり、食材を持ち込んでキッチンで調理したりすることもできます。この無人旅館の取り組みは、ファミリー層やインバウンド客のニーズをつかみ、大盛況。最近は結婚式の前撮りに利用する人たちも多いそうです。


多様な使い方で人気を集める、この一棟貸しの無人旅館を実現した山浦さん。無人だからこそ、地域の人たちとのつながりを大切にしていました。旅館の再生だけでなく、地域と連携し、観光地にもう一度、にぎわいを取り戻す――。それが山浦さんの目指す再生のカタチです。


次の挑戦は、高齢化と人口減少が進む熊本市西区河内町でのリゾート開発計画。2027年夏ごろの完成を目指しているそうです。“コンシェルジュ”として一体どんな未来に案内してくれるのか、山浦さんの今後の活躍に注目したいと思います。


(RKK熊本放送/岡田治美)

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう