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変幻自在のチャイルドシート

改造するか?オーダーメイドか?障害を持った子供達が車に乗るには、このどちらかの方法でチャイルドシートを用意するしかなかった。「キャロット」ができるまでは…。

日本で初めて作られた障害児専用のチャイルドシート「キャロット」。長崎県諫早市の山奥にある会社「シーズ」が作った。オーダーメイドで障害者用の椅子を作ってきた会社だ。

バージョンアップを繰り返し三代目となった「キャロットⅢ」は、様々なオプションを加えていくことで変幻自在に形を変える。座面の長さ、背もたれの高さ、その角度、肩幅。身体の傾きやゆがみがある子供達の身体も、緊張や硬直、不随意運動があって真っ直ぐに座ることが苦手な子供達の身体も、フットレストやサポートテーブル、ベルトやパッドを使って吸い込むように包み込み、真っ直ぐに支える。身長90センチから160センチまでの成長にも対応。その柔軟な対応力は世界トップレベル。日本、ヨーロッパ、そしてアメリカの安全基準もクリアした「キャロットⅢ」には、世界中から問い合わせが引きを切らず、輸出している国は現在30か国!2万人の子供達が愛用中だ。子供達と家族の生活を、そして未来を支える「キャロットⅢ」の姿と開発者たちの思いを紹介する。
<取材先データ>
株式会社シーズ
住所:長崎県諫早市目代町705-16
TEL:0957-22-6350
FAX:0957-22-6371
その他の情報

取材後記

「こんなに信頼されている企業初めてみた!」という打ちのめされた感。障害者用の椅子をオーダーメードしている会社「シーズ」の従業員は総勢13人。その中でたった5人しかいない営業マンが、同時に椅子を作るエンジニアでもあります。注文してくれた人の元に必ず足を運び、目を見て、身体を見て、声を聞いて、その人にぴったりの椅子を作り上げていく作業。色んな人がいて、色んな困り方があるのです。成長にあわせて、障害にあわせて、調整も時には買い替えも必要だし。どれほどの根気と、人に寄り添う心を試される作業か。底なしのその手間暇を惜しまないでいるからこそ、シーズという会社は絶大なる信頼を勝ち取っているのだと思います。

価格や安全性の問題から、手作りをやめて工業製品となったシーズのチャイルドシートには、オーダーメードの時代から耳を傾けてきた子供達の声が詰め込まれました。ちなみに「キャロット」の名前の由来は、最初に作った製品が「赤」だったから、なんですって。気持ちをうまく表現できない子供達が「キャロット」に乗ってにっこり。みている親御さんたちもにっこり。これがシーズの原動力。みんな頑張れ!キャロットが応援しているよ。

ディレクター NBC 長崎放送 古川 恵子

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