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秘湯ハンター #3「通し川の湯/村上さんちの湯」

九州にはまだまだ知られていない自然温泉がたくさん! そんな誰も知らない”未開の湯”を訪ねる”秘湯ハンター”の第三弾! 今回は、秘湯マニアの聖地、霧島の「通し川の湯」にアタックします。
同行していただくのは、東京在住の三浦靖雄さん。平日は会社員、休日は誰も足を踏み入れたことのない温泉を探すハンターで、YouTuberとしても活動。関東・甲信越をフィールドに、厳しい山道を分け入り、”野湯”と呼ばれる野趣溢れる温泉に次々と入浴。 (※野湯…温泉が自噴してその源泉を利用した温泉施設が存在しない場所)
温泉地としてポテンシャルの高い九州で、その三浦さんと今回目指す“野湯=秘湯”は、鹿児島県霧島市。日本有数の源泉数と湧出量を誇る鹿児島県。中でも霧島は未開拓の温泉も多く、野湯好きにとって一度は訪れたい「約束の地」。今回は鹿児島、宮崎の温泉を制覇しているという、野湯界では有名な鹿児島のレジェンド、温泉ソムリエの六三四(むさし)さんにもご同行いただき、聖地巡礼のスタートにふさわしい霧島を目指します!

地獄の先の”白いパラダイス”温泉

六三四さんに導かれながら、道なき道を進みます。今回目指す温泉の名前は通称「通し川の湯」。某企業所有の山の中にあり、許可が必要。しかも申請にかかる手数料が15000円と日本一高い野湯なのです! しかし、六三四さん、実は野湯はあまり好きではない様子。「温泉に入りにきたのに野湯の帰りはどろどろになる…」と。(笑)・・・とそうこう言っているうちに白い噴気が谷底に見え始めました! 立ち上る白い噴気を目指し谷をくだります。入り口は同じでも、毎回ルートが違うという樹海のような森は侵入するものを拒み続けながら長い年月、自然の姿を保ってきたのでしょう。

谷を下った先には、地上に露出した地獄がありました。面積はサッカーのフィールド1面分の地獄。午後になると傾いた太陽の光に照らされ、幻想的な空間が広がります。80度を超える高温の源泉が、至る所で不気味な音を立てていました。さすがにここには入れません・・・。
目指す「通し川の湯」は、沢の水が流れ込む地獄の入り口、森の中…。高温地帯を避けながら、入浴できる場所を探した先人の執念が感じられます。広いこの敷地の中で入れるポイントは1か所だけ。その秘湯は、青白く美しい神秘的な場所でした。

乳白色の温泉が川のように流れることから名付けられた「通し川の湯」。多くの野湯が点在する霧島の中でも、許されし者だけが辿り着ける秘湯中の秘湯。地獄の中で唯一入浴できる天国エリアに、しばし見惚れてしまいました。

温泉の定義は摂氏25℃以上、定められた物質(リチウムイオン・総硫黄など)を含むもの。この「通し川の湯」は水温33,5℃で、下から湧出する足元湧出型の温泉なので下のほうが温かいとのこと。いざ、入浴してみるとちょうどよい温度。泥に当たる部分が温かく、泥の中に足を入れて撮影していたカメラマンはめっちゃ熱い!と。川底にはとぅるんとぅるんの泥。天然の泥パックも格別です。野湯師匠三浦さん、文字通り温泉を肌で感じながら、「通し川の湯」を大満喫していました!

個人所有の”庭先温泉”を直撃!

12月に放送した熊本・南小国の「中ん湯」。地元で百年以上愛される”野湯”で、子供たちのプール替わりに使われていた時代もありました。この中ん湯で前回とっておきの情報を耳にしていました。それは温泉が湧きだす個人のお宅があるというのです。この集落には自噴する温泉が数ヵ所あるんだとか。早速、敷地内に野湯の湧く「村上さんちの湯」を見に行きます。
「村上さんちの源泉」はなんと2カ所。ひとつは地面から湧き出すピンポン球ほどの源泉。使われることなく川へと流れていました。ここで、入浴する野湯師匠三浦さんと井口アナ。気温5度の中、32~33℃の「村上さんちの湯」の気持ちいいこと! 村上さん曰く、薬用効果がすごくあり、効きすぎて、外側からすぐに傷が治っていくのだそう。(※あくまでも個人の感想です)
そしてもうひとつは岩の隙間。パイプを使って母屋へと引き込んでいました。源泉から延びるパイプを辿っていくと、村上さんが夏場に使っているという特製の湯船がありました。ドラム缶いっぱいに溜められたお湯をぜいたくにこぼしながら入る「村上さんちの湯」。外気が冷たいこの季節だからこそ、温かく、長い時間ずーっと入っていられるほどの温度でした。野湯に魅せられた三浦さんにとっては「野湯を所有する」という夢のようなお宅のお湯でした。

2022年1月21日放送

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