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かしこいしっくい

福岡県田川市は、石炭と石灰に恵まれた土地。1924年創業の田川産業は、石灰を原料にした「漆喰」の生産で国内トップシェアを誇る企業だ。古くから城や神社仏閣の建築に使われてきた漆喰、近年は住宅や店の内装に使用したいとニーズが高まっている。

人気の理由は「調湿・消臭・抗菌」という漆喰の三大機能。部屋の湿度を調節し消臭もしてくれるほか、主成分が強アルカリ性の漆喰は、表面に付着した細菌を殺菌してくれるという。 3代目の行平信義社長(69)は、新商品の開発に力を入れてきた。

強度が低いことがネックとなっていた漆喰を、水も熱も使わず高圧で押し固めるという製法を編み出し、コンクリート並みの強度を持つタイルを世界で初めて開発。2007年にはものづくり日本大賞を受賞した。さらに手軽な形で漆喰を使えるようにと、DIY商品も開発。ワークショップを開いたりYouTubeで塗り方の動画を配信したりして、漆喰の魅力を伝えている。
■取材先
会社名:田川産業株式会社
担当者:行平信義 (代表取締役)
住所:〒826-0041 福岡県田川市大字弓削田1924番地
電話:0947-44-2240
HP:https://shirokabe.co.jp/ その他:紹介した商品
・ルミエキューブ(16ピース) ¥2,200(税込)
・DIY NURI2 (5kg) ¥3,960(税込)

取材後記

初めて田川産業の工場を訪れたとき、映画の世界に迷い込んだような気持ちになりました。人が建てた工場でありながら、洞窟のような雰囲気が漂っている不思議な空間は、どこを切り取ってもとにかく映える!「ずっと見ていたい」と感じました。

調湿・消臭・抗菌という三大機能をもつ漆喰。番組で紹介したルミエキューブを私も自宅の靴箱に置いてみたところ、嫌な臭いがしなくなり効果を実感しました。さらに、最近では新型コロナウイルス流行の影響もあり、抗菌性についての問い合わせが増えているそう。田川産業では、新型とは別の種類のコロナウイルスを使った実験で、漆喰に塗り付けたウイルスが1時間で約90%減少するというデータを得たといいます。昔ながらのかしこい素材・漆喰。これからさらに注目が集まりそうです。

担当:RKB毎日放送 田尾 彩美

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