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最高すぎる虹彩杉(こうさいすぎ) ハイブリッド集成パネル

林業が盛んな大分県日田市にあるカネサダ横尾木工所は、日田杉を使った住宅用の建材や建具などを加工、販売している。専務の横尾昌紀(よこおまさのり)さん(29)はもっと多くの人に杉の魅力を知ってもらいたいと、新たな商品「虹彩杉」を開発した。日田杉とアクリル樹脂を交互に組み合わせたハイブリッドなパネルで、虹のように見えることからその名が付いた。アクリルから漏れる光と、杉が持つ木材の優しさを感じることができる。

製造は杉とアクリルを接着剤でくっつけるというシンプルなもの。ただ、杉は湿気や乾燥で反りや割れが出やすい。それでも虹彩杉に加工できるのは、煙と水蒸気で木材を燻す、独自の燻煙熱処理技術があるからだ。この技術により杉の反りなどを軽減させることができ、虹彩杉を使った扉やテーブルなど様々な商品を生み出すことに成功した。中でも、地元の職人とコラボした下駄は、県内の大型ホテルに採用され、宿泊客用の館内履きとして利用されている。

横尾さんは今、虹彩杉を使った新たな商品開発にも乗り出している。建具だけでなく雑貨などへの応用も期待される虹彩杉。日田杉の魅力を伝えるため、挑戦を続ける若き専務の思いと、虹彩杉の今後の可能性に注目だ。
■取材先
会社名:有限会社カネサダ横尾木工所
担当者:横尾昌紀 専務取締役
住所:大分県日田市日ノ隈町311
電話:0973-22-5001
HP:http://www.hitasugi.com その他:
虹彩杉のほか日田杉を使った住宅用の内装材なども加工販売 詳細はHPより

取材後記

「日田杉×アクリル=虹彩杉」今までありそうでなかった新素材です。開発したのはカネサダ横尾木工所の横尾昌紀さん。取材時、横尾さんは29歳。豊かな発想力に驚きました。製造においては、杉とアクリルを接着剤でくっつけていると聞いた時は、正直、「強度は大丈夫なのだろうか?」と疑っていました。しかし、いざ実験してみると、まあ取れないこと。わずか数センチの虹彩杉片だし、耐えられても数十キロだろうと思っていた我々の予想をいい意味で裏切り、最終的には約400キロまで耐え、製品としての信頼性の高さを証明してくれました。

5年後、横尾さんは社長に就任する予定です。現在社長で、父・達也さんの背中を見て、様々なことを吸収する日々が続いています。アイデアあふれる3代目として、今後も新たな製品を世に生み出してくれることでしょう。

担当:OBS大分放送 田中 智基

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