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農作業の救世主 ホウキング3号!

化学肥料や除草剤を使わない有機農法にとって、一番やっかいな作業が草取り。しかも、作物のそばに生える雑草は手で一つ一つ抜き取るのが唯一の対処法だった。ところが、この作業を格段と楽で効率よく行うための道具が開発され、国内はおろか海外でも絶賛されているのだ。その道具の名は「ホウキング3号」。開発者は、福岡県桂川町の農家・古野隆雄さん(70)。

アイガモを使い、稲の害虫や雑草を取り除くアイガモ農法の第1人者として活躍してきた人物だ。その古野さんが畑でも、楽に有機農法ができないかと数年かけて完成したのが「ホウキング」。金属製松葉ホウキの針金を、角材で連結し、それを引っ張るためのパイプをつなげた簡単なつくりだ。

「3号」の名の通り、日々、進化を遂げた道具は、いまや農作物の株と株の間に生えた雑草も、作物を傷つけることなく抜くことができる代物に。世界の農業を救うともいわれる「ホウキング3号」の可能性を追った。

■取材先
会社名:株式会社オーレック
住所:福岡県広川町日吉548-22
電話:0943-32-5002
その他:
除草機械:AR300+株間除草セット
30万3600円

■古野農園
住所:福岡県桂川町寿命824
電話:0948-65-2018
HP:http://aigamokazoku.com

取材後記

「ホウキング3号」この名前を農業の専門誌で発見した時、ロボットのようなものを想像していたが、古野さんが見せてくれたのは、木の棒に針金がたくさん付いたアナログ的な道具だった。ちょっと肩透かしにあった感は否めなかったが、取材を進めると、多くの人がこの道具に魅了され、その未来像に世界の農業を変えると確信している姿に出くわし、「ホウキング3号」を見る目も変わった。

幼いころ見た“戦隊もの”を見た時のような感覚だった。1号から始まり、ヒーローが代替わりするとさらに強くなって帰ってくる。その姿にわくわくしたものだ。「有機農業には無限の未踏の領域がある」古野さんがそう語るように、ホウキングはまだまだ進化し続けているのだ。雑草という有機農業の敵を倒すために。その戦いに終わりはない。番組内で紹介できなかったが、実は、古野さん4号機の試作機を作り始めている。これが完成した時また農園を訪れ、その雄姿を見たいものだ。
担当:RKB毎日放送 鶴田 直久

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