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焼酎の里の芳醇スピリッツ

熊本県あさぎり町の高田酒造場は創業120年。ほぼ手作業で仕込み生み出される球磨焼酎の銘柄は30種類を超える。その中の一つが、焼酎をベースにしたジンだ。13代目の高田恭奈(たかたやすな)さん(36)が手掛けたものだ。 
高田さんは大学で醸造の基礎を学んだあと、故郷へ。伝統の製法を受け継ぎつつ、卒業研究のテーマだった「クラフトジン」の製造に2018年から取り組み、「熊本の美味しさを詰め込みたい」と世界一大きい柑橘である熊本の特産品、晩白柚の皮から「ボタニカル」という香りづけの原料を製造。他にも甘夏やデコポン、桃から香りを抽出、それらを組み合わせて作り上げた「K U M A M O T O jin  jin  G I N」は国内で流通する蒸留酒の品評会で金賞を獲得。一時手に入らない幻の酒になった。  

また栗の規格外品で香りをつけたジンは、東京の有名百貨店でも取り扱われるように。そして2020年からは県産サトウキビを使ったラム酒作りに着手、従来の球磨焼酎のイメージを覆す新商品開発のチャレンジを続けている。一方で球磨焼酎の伝統を守っていくのも自らの使命と言う高田さん。「ジンやラムの開発も蔵の焼酎があったからこそ。球磨焼酎を世界へ広めたい」と挑戦を続ける若き蔵人の日々を追う。  

企業名:高田酒造場 
< 創業120年の焼酎蔵 米が原料の球磨焼酎と製造技術を活かしたスピリッツを開発販売>
出演者:13代目 高田恭奈専務   
住所:球磨郡あさぎり町深田東756  
HP:https://www.takata-shuzohjyo.co.jp    
お問い合わせ:TEL 0966-45-0200 【受付:月~金曜 9:00~17:00】       
紹介した商品や新商品発売などの情報はホームページで公開

取材後記

老舗焼酎蔵の十三代目は小柄な体からは想像つかないほど元気でパワフル。 
熱い思いを語り出したら止まらない。様々な商品開発や精力的な販売戦略は全て「球磨焼酎の知名度を上げること。それは熊本を世界へP Rすること」に繋がると考えている。 
話上手なのは父・啓世さん譲りと思われ、一人娘が頼もしい後継者に育ったのは「酒造りは楽しい」ということだけを伝えてきたからだと嬉しそうに話してくれた。その思いは孫たちへ・・・。 
実は恭奈さん、二人の子どもの母親でもある。兄妹揃ってすでに酒造りの手伝いをし、将来は「焼酎を造る人になる」と宣言しているとか。 

ジンやラムそしてリキュールなど様々な商品を開発する一方、焼酎造りはまだまだこれからと話す恭奈さん。当主の名を冠した特色ある球磨焼酎を生み出すことが、次期十三代目の大切な役目のひとつ。父・啓世さんは構想から20年で「十二代又助」を完成させたという。 
熊本そして人吉球磨の伝統の酒を次の100年までつなげたい若き蔵人の挑戦は終わらない。 
 

(RKK熊本放送 浅木 真由美)

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