暖冬なのに大雪が降るのはなぜ?空気中に多くの水分→“急な寒波”で「ドカ雪」…北陸地方はJPCZの影響にも警戒【気象予報士の解説】
暖冬予想の今冬にも関わらず、強い寒波が相次いで日本列島に襲来。21日(木)から流れ込む寒波は、17日(日)の“第一波”よりもさらに強く、日本海側で警報級の大雪となるおそれがあります。高温が続いた中で、今回のように急に寒気がやってくると大雪となるのは、気温と空気中の水分量が関係しています―。
西回りの寒気によって西日本でも積雪のおそれ
今回の寒気は西回りで流れ込みます。大雪の目安となる非常に強い寒気(上空1500メートル付近で氷点下12℃以下)が、九州北部や中国地方にまで南下。また、降水があれば平地でも雪として降る目安の寒気(上空1500メートル付近で氷点下6℃以下)が関東から九州南部の太平洋側までスッポリと覆う予想です。九州北部などの普段雪に慣れていないエリアでも積雪のおそれがあるほか、四国や東海など一部の太平洋側の地域でも雪が降る可能性があります。
「JPCZ」で北陸はドカ雪に
北陸地方ではJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)によるドカ雪に警戒が必要です。北西の季節風にのってやってくる寒気は、朝鮮半島にある長白山脈で東西に分かれ、日本海で合流して雪雲が発達します。これがJPCZと呼ばれています。梅雨の時期の線状降水帯と同様に、同じ場所にとどまると「ドカ雪」をもたらし、車などが立ち往生する危険度が高まります。現時点での予想では、近畿北部から北陸へ少しずつ位置が変わっていますが、同じ所にとどまるおそれもあり、油断できません。
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横尾 槙哉
気象キャスター
出身地:佐賀県基山町 誕生日:2月7日 趣味・特技 サガン鳥栖の応援、和太鼓、ドラム、少年漫画、映画