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「5月病」の正体は睡眠?GWの寝だめが招く時差ぼけのリスクと予防策

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4月の新年度開始から1か月。新しい環境での緊張や不安が続く中、連休明けに心身の不調を訴える「5月病」が懸念される時期です。実はこの不調、ゴールデンウィーク中の「睡眠の取り方」で予防できるかもしれません。日本睡眠協会理事長で久留米大学理事の内村直尚さんが解説しました。

「5月病」とは何か?医学的な視点からの正体

「5月病」は一般的な呼び名ですが、内村さんによると医学的には「適応障害」や「うつ状態」と診断されるものだといいます。

4月は入学や入社など環境が大きく変わり、周囲の人との関係性も含めて緊張や不安が強い状態が続きます。その緊張の糸が、5月の連休でふっと緩んだ瞬間に、これまで蓄積された心身の疲れがさまざまな症状として現れるのが5月病のメカニズムです。

この不調を未然に防ぐ、あるいは悪化させないための鍵を握るのが「睡眠」です。

連休中の“寝だめ”は「海外旅行」と同じ負荷?

連休中にやってしまいがちなのが、平日の疲れを解消しようとする長時間の「寝だめ」です。しかし、これが5月病を誘発する大きな要因になると内村さんは警告します。

普段の起床時間より数時間遅く起きる生活を続けると、体内時計が大きく狂い、日本にいながら「時差ぼけ」の状態(社会的時差ぼけ)に陥ります。

・3時間の遅起き:インド旅行をしているのと同じ負荷
・5時間の遅起き:ハワイ旅行をしているのと同じ負荷

連休中に1週間から10日間ほどこのような生活を送ると、休み明けに「眠れない」「食欲がない」「やる気が出ない」といった症状が強く現れ、適応障害やうつ病へとつながってしまうリスクがあるのです。

5月病を防ぐ「連休中の睡眠」3つのルール

連休を楽しみつつ、休み明けにスッキリと活動するための具体的な睡眠ルールを紹介します。

1.起床時間を変えない(許容範囲は2時間以内)
 連休中も、仕事や学校がある日と同じ時間に起きるのが理想です。どうしても遅く起きたい場合でも、普段との差は「2時間以内」に留めましょう。

2.睡眠時間を増やしたい時は「早く寝る」
 「起きる時間を遅くする」のではなく「寝る時間を早める」ことで睡眠時間を確保してください。例えば、普段より2時間早く寝て、2時間遅く起きれば、体内時計の中心(中間点)を変えずに、合計で4時間も多く睡眠を確保できます。

3.お昼寝は「30分以内」に
 一度起きた後の昼寝は効果的ですが、30分を超えてしまうと、目覚めた後の意欲低下や強い疲労感につながり、逆効果になるため注意が必要です。

専門医からのアドバイス

「ゴールデンウィークをどう過ごすか、特に睡眠の取り方次第で、5月病を予防することもできれば、逆に増悪させてしまうこともあります」と内村さんは解説します。

新しい環境に馴染もうと頑張っている時期だからこそ、連休中の規則正しい睡眠のリズムを意識して、心身の健康を守りましょう。

4月に福岡市で「ふくおか睡眠フェア2026」開催!

睡眠についてより深く学べるイベントが開催されます。内村理事長も登壇されるほか、元プロ体操選手の内村航平さんや競泳オリンピックメダリストの松田丈志さんら超一流アスリートも加わり、睡眠の極意を徹底解剖します。

ふくおか睡眠フェア2026
4月24日(金):企業向けビジネスデー(ホテルニューオータニ博多)
4月25日(土)・26日(日):一般向けフェア(電気ビルみらいホール)
入場料:無料(講演については事前予約制)
申込:「ふくおか睡眠フェア2026」特設サイトからお申し込みください。
https://rkb.jp/Fukuoka-suiminfair2026/

内村直尚氏(日本睡眠協会・久留米大学 理事長) 
医学博士。1956年生まれ、福岡県出身。久留米大大学院医学研究科終了。87~89年に米・オレゴン健康科学大に留学。2007年、久留米大医学部神経精神医学講座教授に就任。同大病院副病院長、同大高次脳疾患研究所長、同大医学部長、同大副学長、同大学長を歴任して26年から現職。21年に日本睡眠学会の理事長、23年に日本睡眠協会の理事長に就任

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