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山坂達者

鹿児島市の山下小学校で行われる城山登山競走大会。城山は西南戦争最後の激戦地として知られ、子どもたちは頂上までの約1キロメートルを懸命に駆け上がる。青少年の心を鍛える薩摩藩の教え「山坂達者」の精神を受け継ぐ伝統行事だ。6年生の湯田菜々香さん(12)は1年生の時から負け知らず。
同級生にライバルはいないが、最後の大会でどうしても達成したい目標がある。それは大会新記録の5分13秒を破ること。体育館には学年ごとに大会記録保持者の名前が掲げられ、いくら連続優勝しても後世に名前は残らない。放課後や休日を使って険しい山道を走りこんできた。一人で走っている時は大会記録を上回っているが、毎年、本番になるとプレッシャーから1分近くタイムを落としてしまう。菜々香さんが一緒に練習する人がいる。大会記録保持者の橋口璃子さん(16)だ。城山登山競走で弱い心に負けない力を養ったという。幼い頃からゴルフに打ち込み、精神力を鍛えるため今も城山を走り続けている。湯田さんにとっては憧れの先輩であり、越えなければならない大きな壁だ。順位ではなく自分自身と向き合う城山登山競走。菜々香さんはプレッシャーに打ち勝ち、新記録を達成できるのか。
(製作:MBC南日本放送 / 武藤 久)

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