サンデーウォッチ

日曜 10:30

福岡の“リアル下町ロケット”!宇宙ベンチャー企業「QPS研究所」

2021年アメリカで打ち上げられたロケットに、福岡発の人工衛星が搭載された。その高い技術力は世界に知れ渡り、出資をしたいという企業が続出。集まった金額はなんと82億5000万円!民間人の宇宙旅行をはじめ宇宙産業の市場は世界的に急拡大している。
今回は、世界が注目するそんな“福岡のリアル下町ロケット”・宇宙ベンチャー企業「QPS研究所」に迫る!

QPS研究所のココがすごい①「世界が注目!スケスケ技術」

QPS研究所の衛星写真に、世界が注目するすごい技術が隠されていると聞き、創業者である取締役・研究所長の八坂哲雄さんと、若き社長・大西俊輔さんに話を聞いた。

QPSの人工衛星は地球を観測するための衛星で、電波を使って画像を撮るのが特徴だ。MRIに近いイメージだという。
一般的な衛星はカメラで撮影するため、雲の下や暗くなる夜間は観測ができない。一方QPSの衛星は特殊な電波を使うため、雲を通り抜け、天候に関係なく地表を写し出すことができる。例えば樹木の葉や幹も透過して地面が見えることを利用し、ジャングルの下にある遺跡の調査に使われたこともある。
この“スケスケ技術”で、昼夜問わず24時間働き続ける衛星なのだ。

この技術が最も私たちの生活に生かされる場面が災害時だ。豪雨や地震の際、いつでも見られるこの衛星を使えば、状況が手に取るように分かる。例えば大雨で土砂災害が発生した時でも、雨雲の影響を受けず瞬時に被害状況が写し出され、避難経路を決めることなどに役立つ。
他にも、電力などのインフラ復旧、牛などの放牧の管理、工場施設の定点観測、自動運転に必要な3Dマップなど、幅広い分野での活躍が見込まれている。

しかし実用化には大きな問題があった。通常の衛星の重さはおよそ2トン、打ち上げまでのコストは1基数百億円にも上るのだ。
そこでQPSが取り組んだのが“衛星の小型化”だ。小さく作ったことで費用もおよそ100分の1に縮小できた。他社が大きな衛星を1基打ち上げるお金で、QPSは100基上げられる。
小型化しコストを大きく抑えることでたくさんの衛星を打ち上げ、観測したい場所をいつでも撮影できる「リアルタイム観測」を可能にしようとしている。

QPS研究所のココがすごい②「リアル下町ロケットを実現!」

その“小型化”はどのように実現したのか?

そもそもQPS研究所は、九州大学発のベンチャー企業。創業者の八坂さんが2005年に立ち上げ、地元のものづくり企業を訪ねては仲間を募っていった。それら企業はもちろん宇宙開発に関しては素人で、だからこその発想もあったという。その1つがアンテナの骨組みだ。

その正体は“バネ”。一般的な衛星ではアンテナを開くのにモーターを使うが、重さが問題となる。そこでQPSでは、軽いバネを使うことを考案。開発したのは、福岡県粕屋郡にある町工場だった。しなやかな板バネのおかげで、打ち上げ時には非常に小さくたたんでいたアンテナを宇宙空間で開くことに成功。大幅な軽量化を実現した。
現在QPSの人工衛星に携わっているのは、九州のものづくり企業21社。それぞれが得意とする技術を結集し、チーム一丸となっている。

QPS研究所のココがすごい③「オール九州で宇宙に挑む!」

次の目標は、鹿児島県にある内之浦宇宙空間観測所からの打ち上げだ。
「“メイドイン九州の衛星が九州から飛び立つ”、これは最初からの夢だった」と八坂さん。日本では初の試みとなる、衛星ビジネスとしてのロケット打ち上げだ。
一方の大西さんはこう話す。「何もやっていないものをやるのは楽しいし、宇宙というのはそれで成り立っている業態。ワクワクしている」

“QPS”が意味するのは、“九州・パイオニア・オブ・スペース”。“九州の宇宙への先駆者”の挑戦は続く!

(文:軽部 明香里)

金曜ドラマ『クロサギ』

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