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九州北部豪雨から5年~朝倉市・東峰村の人を呼び込む新たな取り組み~

九州北部豪雨から5年~朝倉市・東峰村の人を呼び込む新たな取り組み~

2017年7月5日九州北部豪雨が発生し、福岡県朝倉市東峰村、大分県日田市を中心に甚大な被害が発生しました。死者・行方不明者は42人、堤防の決壊や土石流、崖崩れ、流木による被害の総額は農業と林業で700億円以上と言われており、地域経済にも大きなダメージとなりました。

九州北部豪雨から5年。朝倉市の被災した道路や河川は‘‘原型復旧工事’’が100%完成し、以前の姿を取り戻しつつあります。
しかし川幅を広げたり、堤防のかさ上げや山崩れを防いだりする豪雨被害対策の‘‘改良復旧工事’’の進捗状況は、河川で74%、土砂の流出を防ぐ砂防ダムは64%となっています。2023年度にはすべての工事が完成する予定です。

番組で度々取材させていただいている被災地復興のキーマンのあさくら観光協会事務局長・里川径一さん。
ご自身も家族と共に住んでいた自宅が被災し家を失いましたが、いち早く地元の被災者たちと様々なプロジェクトを立ち上げ、その収益を地元に還元する仕組みを作って地元支援に力を注いできました。

そんな復興の仕掛け人・里川さんからこの夏の朝倉観光の目玉を皆さんにお知らせしたいとの連絡があり、やって来たのは原鶴温泉の筑後川の川岸。
豪雨災害以降、川に砂が堆積して屋形船が3年間出せない状況でしたが、3年ぶりに筑後川の夏の風物詩「鵜飼」が復活。7月の前半から再開させる方向で話し合いが進んでいるとのことです。

また去年から里川さんが筑後川に川遊びができるアクティビティを持ち込み、水辺を盛り上げるプロジェクトを開始しました。
今年の夏はさらにパワーアップしたそうで、なんと最大8人乗りの「メガサップ」!エアで膨らませて厚みが20㎝ほどあるので、転覆することはないのだそう。

いつもイベントをお手伝いしてくれているボランティアが初体験。救命胴衣とパドル操作の説明を受けて、早速乗り込みます。さすがのメガサイズで8人が乗り込み立ち上がっても非常に安定していて、余裕の浮力。家族や少人数のグループでも利用可能で、川に落ちたときの対処方法も学ぶことができます。
濡れてもいい恰好で来るようにとのことで、メガサップ体験後には温泉もついてきます。メガサップは7月21日にデビュー予定です。

また朝倉・東峰村・朝倉郡筑前町の新しい観光ガイドブックが今年4月に創刊。
近隣の方により知ってもらえる情報を加えたいということでリニューアルし、今までは出版社に頼んで作成していましたが、今回は企画・製作・印刷まで地域住民だけで作り上げました。
「地元の人も観光客もみんなで元気になりたい、色んな人にお世話になった分恩返しがしたい」と里川さん。

その他にも「東峰村の廃校跡にアクアクレタという宿泊施設を作ったり、グランピングを作ろうという話がでたりと、色々な人が知恵を出してどうしたら多くの人に来てもらえるのかを考えている」とのこと。
また甘木駅構内にある「あさくら観光協会」も4月に全面リニューアルされたとのことで、観光客が気軽に立ち寄れるスポットに変身しました。

原鶴温泉旅館協同組合の副組合長であり泰泉閣代表取締役の林恭一郎さんは「6月の宿泊客は7割まで回復している。3年ぶりに鵜飼が復活しているので、筑後川アクティビティと合わせてアピールをしていきたい。」と話してくださいました。

同じく被災地の東峰村では、被災した道路や河川の「原型復旧工事」が2021年度に100%完成、豪雨被害対策の「改良復旧工事」は2023年度には全て完成する予定です。

東峰村宝珠山にある「竹地区の棚田」。棚田百選に選ばれたこの景勝地も5年前、あふれた水や流れ出た土石・流木で大きな被害に遭いました。
5年前の雨で田んぼの水が全てあふれて土砂も流入し、次の年は植え付けができない状況だったそう。現在8割が復旧し、田植えもできるようになったとのこと。

被災から5年経って、新たに育てた酒米と名水百選の「岩屋湧水」の水を使って地元の酒蔵が仕込み、「東峰一献」を作り上げました。去年は1000本生産してほぼ完売という人気ぶりだったため、今年は米の量を2倍にして2000本作る予定だそうです。

東峰村宝珠山の「筑前岩屋駅」では、5年前の九州北部豪雨で土石流がホームに流れ込み線路も寸断してしまい、周辺では豪雨災害対策の改良復旧工事が続いています。
鉄道の復旧は断念しましたが、現在バス高速輸送システム「BRT」の工事を行っており、2023年夏の開業を目指しています。

東峰村の新たな名物を作り出すため、3年前から地元有志が作った養殖場でヤマメの稚魚の養殖に取り組んでいます。
東峰村の岩屋地区の自然を生かした取り組みで、ヤマメを缶詰にして販売。味は甘辛山椒煮とニンニクマヨネーズとオイル漬けがあり、去年は1000缶製造してすべて完売したとのこと。
今年は新しくゆずこしょう味を追加する予定で、ゆずこしょうも東峰村で作ったものを使用。さっぱりしていてピリッと感もあり、今までで一番おいしいと思うくらいの自信作だそうです。この「ヤマメの缶詰」は東峰村のイベントで秋から販売されます。

朝倉市杷木にある平榎地区も甚大な被害を受けました。山の斜面は今も地滑り対策の工事が続いており、元々は37戸あった世帯が現在19戸に減少してしまったといいます。

今は復旧工事の関係上地元の人しか入れませんが、人々が安心して集える場所を地元の方々が作り話題となっています。2021年に完成した「平榎くぬぎ山見晴台」です。
この地域は柿の産地として有名でしたが、九州北部豪雨のときに5ヘクタールあった柿園が土砂崩れで壊滅してしまいました。
その様子を地域の人々が見て暗い気持ちになっていたときに、九州大学の先生や学生にアドバイスを受けながら地域住民やボランティアと見晴台を作り上げました。

見晴台の周辺には、被災地の小学生たちも手伝いながら桜やモミジ、ツツジ、アジサイなど200本を植樹。去年はその見晴台でモミジや柿の葉の紅葉を楽しんだり、人形劇の上映やコマ大会など地域住民が集うイベントを開催したりしたそう。

また復興支援「あさくる」代表の松本亜樹さんが企画して、愛知県の絵本作家が水害の記憶を物語にしました。雨で家が壊れ、新しい家を探す熊と迷子の柿の実を主人公にした絵本が今月7月に完成。
朝倉市のギャラリーで原画展が開催され、収益は被災地支援に使われるとのことです。

平榎復興委員会代表の日野洋さんは「この地域の活気を後世に引き継いでいくために平榎を良い場所にし、地域を魅力のあるものにしたい」と話します。平榎地区の地滑り対策の工事も2023年3月に終了予定で、4月からは一般の観光客も「くぬぎ山見晴台」に入れるようにしたいと意気込んでいました。

九州北部豪雨から5年、被災地域は、災害に負けない住民パワーで大きく生まれ変わろうとしています。この夏、足を運んでみてはいかがでしょうか。

〇筑後川ウォーターアクティビティー
電話番号:090-7159-7731
〇原鶴温泉旅館協同組合
電話番号:(0946)62-0001
※宿泊する旅館・ホテルでも受け付けます
〇あさくら観光協会
電話番号:(0946)24-6758
観光ガイドブック「ゆるり、あさくら」 660円
〇片岡酒造
電話番号:(0946)72-2321

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2022.12.01
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