PageTopButton

福岡人はなぜ三社参りをするのか!?

1年の始めに神社や寺院を訪れ、旧年の感謝と共に新年がいい年になるよう願掛けを行う「初詣」。全国で9,000万人以上が参拝すると言われ、今や生活に根付いた習慣となっています。
今回は福岡の文化「三社参り」について「なぜ福岡の人は三社もお詣りするのか?」調査していきます。

なぜ福岡県民は三社参りに行くのか?!

「三社参り」は福岡を中心とした九州地方・中国地方の一部に根付いている風習。福岡では当たり前の文化となっていますが、全国的には珍しいんです。
そんな「三社参り」に福岡県民はなぜ行くのか?福岡市天神・太宰府天満宮で聞き込みを行ったところ「たくさん回った方がいいことがありそう」「1日で回るには3社が限界」「昔からの言い伝え」「三社参りという風習があるから」といった意見が出てました。
また「三社参りの由来」に関するアンケートでは
1.昔からの伝統…198人
2.たくさん願える…46人
3.新年の気分を味わう…34人
4.知らない…106人
(※福岡県民・福岡在住408人に聞き込み調査 番組調べ)
と、「昔からの伝統」「なぜ三社参りに行くのか理由や由来は分からない」と回答した人が多数を占める結果になりました。

「三社参り」の由来とは?!

「三社参り」の由来は何なのか?真相を探るため、宗教学者でもある皇學館大学名誉教授の櫻井治男先生に話を聞きました。
「三社参り」の始まりは鎌倉時代に遡ります(※諸説あり)。櫻井先生によると、1181年1月1日に源頼朝が神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮に初詣しお供え物を差し上げたという記録が残っているのだそう。その数年後、源頼朝は神奈川県箱根町の「箱根神社(箱根権現)」と静岡県熱海市の「伊豆山神社(伊豆山権現)」を二所権現と称してお詣りし、さらに静岡県三島市の「三島大社」にもお詣りしました。源頼朝がこれら3カ所をお詣りしたのが「三社参り」の始まりです。
福岡で三社参りが行われるようになったのは、江戸時代。源頼朝がお正月に神社をお詣りしたことをきっかけに、武将たちにも広がっていき、福岡・黒田藩の武士たちも「住吉神社」「日吉神社」「筥崎宮」に「三社参り」をしたと言われています。
さらに福岡では第二次世界大戦後、神社・鉄道会社・旅行会社が連携して、「正月の参拝は電車で!」を推奨したキャンペーンを拡大。宮地嶽神社~筥崎宮~太宰府天満宮の三社を1日で回るプランも提案され、ルートが確立されたことで「三社参り」が福岡中に広まっていきました。

「三社参り」にも変化が…

「初詣は〇社参りするか?」福岡県民・福岡在住408人に街頭インタビューで調査したところ
1.一社のみ…173人
2.行かない…136人
3.三社参り…78人
4.二社参り…16人
5.四社以上…5人
(※福岡県民・福岡在住408人に聞き込み調査 番組調べ)
と、福岡県民の多くが「三社参り」すると思っていたジョナサンとは裏腹に「一社のみ」参拝するという人が多いという結果でした。

また「毎年三社参りに行くか?」という調査では、
1.毎年行かない…194人
2.全く行かない…136人
3.毎年行く…78人
(※福岡県民・福岡在住408人に聞き込み調査 番組調べ)
という結果に。
新型コロナウイルスの影響もありますが「近くの神社に一社だけお詣りして、人が多いところには行かない」「若い時には三社行っていたが最近は行かなくなった」「三社詣ってご利益があるのか…」といった意見もあり、「三社参り」する人は減少しているようです。
「そもそも三社参りに行かなくても大丈夫なのか?」皇學館大学名誉教授の櫻井先生によると、「良い悪いは心の持ちよう。2だと対立してしまい3だと上手くまとまり満足感が得られる感覚がでてきたのではないか」とのことでした。

「三社参りは1日で参拝するものなのか?」福岡県民の意見を街頭インタビューで調査したところ
1.1日で三社を参拝…315人
2.数日かけて参拝…66人
3.分からない…27人
(※福岡県民・福岡在住408人に聞き込み調査 番組調べ)
という結果に。

「三社参り」は1日で行うイメージが強いですが、本当に三社参りは1日で行うものなのでしょうか?太宰府天満宮の権禰宜・味酒安儀さんによると「1日にまとめて三社回る必要はない。“いつまで”というルールはないため、正月の期間以外でも自身が行けるタイミングでお詣りして良い。まずは地域の氏神様を参拝してから行きたい神社に行くと良い」とのことでした。
2023年は行動制限のないお正月を迎えられそうで初詣する方も多いかと思います。三密にならないよう時間を調整しながらお出かけしましょう!

この記事はいかがでしたか?
リアクションで支援しよう