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国宝・旧開智学校のインターネット展覧会

松本城から徒歩10分。昨年国宝になった「旧開智学校」。
近代学校建築の国宝は初。明治9年に作られた擬洋風建築で、白壁に縦長の窓、塔屋があり、バルコニーには看板を持った天使と龍の飾り付き、等々…といった外観も、紙天井や色ガラスなども採用された校舎内も、見どころいっぱい!

しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は休館中。
で、始まったのがインターネット展覧会。
テーマは「開智学校の長期休み」。7月26日まで過ごし方の注意や、夏休みの課題帳の資料が提示されています。
しかも!4つの年代の課題を仕上げて旧開智学校に送ると、採点してもらえて課題終了証がもらえちゃう!これが、岩波文庫の表紙のような、賞状チックな、いい感じなんです。
インターネットで収蔵品などを見せて下さる美術館・博物館もありますが、解答→採点→認証という双方向な企画は、さすが学校ならでは!最高です。
来週末には模範解答も提示されるようです。
課題は、明治44年の4年生用、大正時代の2年生用、昭和3年の2年生用、昭和6年の5年生用
と4タイプ。毎日何かやるように作られているので、各30ページくらいなのだそうですが、その一部を旧開智学校・学芸員の遠藤正教さんがピックアップなさったそうです。
計算問題、穴埋め作文、指定単語を使った作文に日の出・日の入りの時刻や正午の気温の観察、はたまた絵を描くことまで。
しかも、けっこうな難しさ!今回の出題ポイントは「私が採点できるもの」と、笑う遠藤さん。
課題の中には、「上級編を作る時には出そうかな…」とおっしゃる『大宝律令とは何か答えよ』とか、ハイレベルな問題もあったそう。
そういえば、富永さんと行く信州ツアーの時に、『大化の改新で起こったことは?』『以仁王の乱とは何?』といった歴史問題が試験に出されてたって聞いたなあ。
よかった。昭和の福岡の小学生で。

見学中に、明治天皇にお見せした絵画作品集も見せてもらいましたが、おじいちゃんの描く水墨画とか、大人の描く植物図みたいなのがたくさんでした。
絵を描く場合、明治時代は「お手本に忠実に」が基本で、大正以降は、「生徒の個性を重んじる」方向に変化していくとも。
明治9年(1876)から昭和38年(1963)まで、約90年使われ続けた校舎だからこそ、実際使っていたものの膨大な資料が残されているんですねえ。

□ 旧開智学校 →
http://matsu-haku.com/kaichi/
□ 新まつもと物語 →
https://visitmatsumoto.com/
□ 長野県公式観光サイト →
https://www.go-nagano.net/
□ FDA フジドリームエアラインズ →
http://www.fujidream.co.jp/

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